松し満 エビフライ定食 (新富町)
今は銀座の裏的で静かな街であるが、かつては花街だった新富町。当時は芝居茶屋や料亭が立ち並んでいたそうで、今でも黒塀の「割烹 躍金楼」などが当時の面影を感じさせる。この日伺った松し満も、元は創業200年を越える料亭で、当時を偲ばせる立派な建物だったそう。その建物は、今はマンションに建て替えられ、元あった場所の向かいで料理屋として営業を続けている。
今でも、入るのを少し躊躇われるような雰囲気。引き戸を開けると、これまた足を踏み入れるを遠慮してしまいたくなるエントランス。階段の隅の「靴のままお上がり下さい」との案内を目にして、少し安心して階段を上ると、こちらは意外と普通のテーブルが並んだ部屋があった。
ランチは、週変わり、エビフライ定食、ロースカツ定食、キジ焼き定食、稲庭うどん定食が1,100円。刺身定食が1,350円。週替わりは、シーフードのカレーライスとのことだったので、エビフライを選択。ちなみに、エビフライとカツは、玉子とじ重にもしてもらえるそう。
運ばれてきたのは、立派なエビフライが2尾、ご飯と味噌汁、小鉢が2つに香の物。噛むと、プリンと海老が歯を押し返すような感覚。細かなパン粉の薄い衣の中には、立派な太さの海老。例えば、三州屋のようなザクザクの衣もいいが、料理屋然としたフライもいい。キャベツの千切りについては、これほど瑞々しく柔らかなものは、あまり見たことなないと思うもの。1,100円という値段は、ランチには高めではあるが、歴史や誇りが垣間見え、何か感じるものがある。
帰りは、新富町を散歩。気になる店や建物、行列も多く、この辺りを歩くのが最近楽しい。
【お店情報】
松し満 新富2-9-1 地図
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