山岸食堂 （銀座）

ツナとルッコラのトマトソース

近くて遠い山岸食堂のランチ。というのも、当日朝８時に麺の予約をしないと確実にはありつけないため、直前の気分で食べたいものが変わる自分には、そういう意味でハードルが高い。誰かと待ち合わせてのランチなら予約するのにと思っていたら、しずりんさんと昼に待ち合わせることに。そんなわけで、山岸食堂での初ランチ。

場所は昭和通りを越えた銀座。「食堂」という名前のとおり、広い店でも洒落た外観の店でもなく目立たないが、イタリアの国旗が目印。扉を開けると、「麺の予約の方ですか？」と確認が入る。ランチは、山岸食堂の代名詞でもある手打ちパスタを使ったランチ１本(1,050円)。ゆえに、入店してからはどんなパスタにするか決めるだけだが、20種類近くあるリストを前にすると、どうしていいもんだか困ってしまう。楽しい難問にしばらく悩んで、しずりんさんは「ツナとルッコラのトマトソース」、自分は「エビトマトクリームソース」を注文。麺は普通盛りだと大食感でなくても少なめのため、大盛り(無料)を。

砂被り状態で調理姿が見えるカウンター席。作っていく工程や食材などがよく見える。二人して眺めていると、運ばれてきたのはサラダとパン。パンは厨房の奥にあるオーブンで直前まで温かい状態を保持。目の詰まった密度の濃いもっちしりしたもので、素朴だがどこか嵌る味わい。美味しいからといってバクバク食べるのは我慢して、パスタのソース用に取っておくが吉。

エビトマトクリームソース

手打ちパスタはフェットチーネよりもやや太く、もちもちした食感。ぷりっとした食感が活きた海老との対比も鮮やかに、程よい濃度のトマトクリームソースがうまく全体をまとめて。麺の食感はクセになるが、これを具材やソースを伴って纏めるのが腕の見せ所なんじゃないかという気がしてきた。

内装や食器類を始め、洒落た雰囲気は一切なく、丁重なサービスもない文字通りの食堂。それでも人が集うのは、この店の気取らない、嵌る味わいに魅了される人が多いからなのだろう。ちなみに夜も人気で、相変わらず半年以上先の予約になるそう（3月の時点で9月の予約）。夜の様子が気になる方はこちらをご参考に。

【お店情報】
山岸食堂　銀座2-14-20 池田ビル1F　地図