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2011年1月10日

オーベルジュ・アンドラ モンターニュ (南魚沼)

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ここ数年、年末に訪ねているオーベルジュ『アンドラ モンターニュ』。毎年スキーをするのが定番だったが、今年は、「食べて寝て、持ちこんだ本を読むだけ」。このオーベルジュのコンセプト「食い飲み眠る、しあわせ」に真っ向から向き合った格好だ。

毎年伺う理由は、そのコンセプトに惹かれただけではなく、渋谷でフレンチシェフとして腕を揮っていたオーナーシェフが繰り出す料理とワイン、心地いい寝床、そして、オーナーシェフとマダムの人柄に魅了されてしまったからだ。1泊2日で15,800円。夜は、アミューズからデザートまで8品、朝は自家製のハムやベーコンなどが並ぶ。今回は2泊中に頂いたメニューの中から、いくつかをご紹介。

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1日目のアミューズ:能生(のう)のマサバと健牡蠣の焦がし

「サバと牡蠣」を一緒に食べて下さいね」との案内に従うと、牡蠣の焦がした香りと身が芳しいソースに変わり、鯖の旨みを引き立てる。シェフがこの地に移住を決めた理由の一つが能生漁港の魚介類の美味しさ。そして、自分がここを訪ねる楽しみの一つでもある。

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1日目の2皿目:豚のリエットにじゃがいもとトリュフを練りこんで

リエットの旨みはそのままに、軽い口当たり。一口食べるごとに、豊かな芳香が口に鼻孔に広がる。

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2日目の2皿目:広島・健牡蠣を3種類の調理で

生と白ワイン蒸し、フランの3種類。生の瑞々しい爽快感。蒸して旨みが凝縮された身に染み出した汁。なめらかな口溶けとともに柔らかく牡蠣の風味が香るフラン。一皿で3度も4度も訪れる幸せ。

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1日目の3皿目:大沢地区の極上コシヒカリのおかゆ

アンドラ・モンラーニュの名物の一つといえるのが、「大沢地区の極上コシヒカリ」。メニューは毎日変わるが、このコシヒカリは、必ず、3皿目におかゆ、リゾットなど形を変えて出され、最初に訪ねたときに、深く印象に残ったものだ。

魚沼のコシヒカリといえば、言わずと知れたブランド米であるが、こちらで使われる米は、魚沼の中でもとりわけ旨い米ができるといわれる大沢地区のもの。それも、古くは徳川家・上杉家に献上していたもので、今は作付前に料亭等からの予約が入り、市場にほとんど流通していないものらしい。出回っている病に強い品種ではなく、古くから作られている品種改良前にものだそうだ。

この日の食材として使われた平目のあらで炊いた粥は、まず米の香りに驚き、口に運ぶと米の旨みと出汁の風味に満たされる。ちなみに、翌日は、真鯛のあら出汁と身を加えたリゾットだった。

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2日目の4皿目:能生のマダイのムニエル 紫大根添え

先にも書いた能生漁港で揚がったマダイ。ちなみに、1日目は平目。

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1日目の5皿目:ゴボウのポタージュ

このゴボウのポタージュも、2日目のかぼちゃのスープも、その皮の裏までもが脳裏に浮かぶほどに、素材を凝縮させた素材感を感じさせるもの。


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6皿目:名物!フォアグラサンド

フォアグラと似た食感にした大根の仕事ぶり。ソースも肝。

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1日目の7皿目:根室の蝦夷鹿のロティ 紅玉とメークイン添え キャベルのソース

「今回ワインはどうします?」といったシェフが、楽し気に薦めたのが、オーストリアのリースリング。「これとジビエと合わせるとうんまいですよ」と、地下室一杯に眠るワイン蔵の中から出してきた。グラスを近づけるとリースリングらしい甘い芳香が広がるが、飲み心地は全く甘くはなく、透明感あるしっかりとした白い果実味。これが、土や血の雰囲気に負けず巧く添い合う。唸りつつ横を見ると、してやったりのシェフの顔。

ちなみに、ワインは、今回のようにボトルでお願いすることも可能だが、スープ、デザートを除く6皿にグラスワインを其々合わせる宿泊プランもあり。

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2日目のデザート:クレーム アラ ヴァニーユ 苺のせ

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ワインが少し残ったので、出して頂いたチーズも好い。

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たっぷり食べて飲んで、ぐっすり寝ると、あれだけ食べて飲んだのに、お腹がすいて目が覚めてしまうという不思議。それを迎えてくれる朝食は、自家製のハム・ベーコンと玉子料理をメインに

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トースト、自家製のジャム、逞しい野菜のサラダ、スープ、ヨーグルト、野菜やフルーツのジュースといった内容。

来年も訪ねるつもりで、毎年お会いするご常連のご家族と「また来年」と挨拶したが、違う季節にも来てみたいというのが正直なところ。別の季節には、どんな顔を見せてくれるのだろうか、気になって仕方がない。

【お店情報】
AUBERGE-ANDRA-MONTAGNE 南魚沼市宮野下1191-1 

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