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2011年3月 6日

~青森 冬の旅 その3~ 土紋 (弘前)

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地の酒の豊富なラインアップと、地の料理で酔う夜

今回の旅で、どうしても訪ねたかった店の一つ「土紋」。というのも、以前、弘前を訪ねたときに、この店に行こうと目の前の「プラザホテル」に宿泊したにも関わらず、行きつくまでに満喫してしまい、結局、行けず仕舞いにするという、苦い思い出があるからだ。

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「しまや」を後にして、歩いて「土紋」へ移動。繁華街からは少々離れているが、天気が悪くなければ、酔い覚ましに丁度良い距離。カウンターに陣取ると、目の前には酒瓶がずらり。そのラベルは多くは、地元弘前は三浦酒造の「豊盃」で、他では見ることが難しいものも並ぶ充実のラインアップ。これを愉しみに来たのだ。

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突き出しは、鮪の山かけ。定番ものだが、これが立派で旨い。実をいうと、目の前で調理されているのを見て、まさか自分の処に届くものだとは思ってなかったものだ。こうなると、二軒目にも関わらず、俄然調子が上がってくる。

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青森の郷土料理、貝焼き味噌。ホタテの貝殻にネギや味噌を乗せて玉子で半熟にとじたもの。海産出汁に、味噌や玉子のコク味が加わって、熱々のところをハフハフ。そこへ、豊盃を流し込むと、嗚呼幸せ。

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この時期ならばの、「たつ(鱈の白子)」。これがまた立派な白子で、口に含むと広がるとろりと甘く滑らかな食感。盃を上げるスピードが上がる。

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弘前では、家庭の味という「いがめんち」。烏賊の足(ゲソ)を包丁でたたき、季節の野菜などと一緒に小麦粉を混ぜ、油で焼いたり揚げたものだそう。ただ、現在では、家庭で作る人が少なくなってきているそうで、「いがめんち」の食文化を風化させたくないとの思いから、「弘前いがめんち食べる会」が発足し、普及を行っているそうだ。

注文したときに、「少々時間を頂きますが」とおっしゃった理由は、その後のご主人を見ていてよく分かった。ゲソや身を、出刃包丁で丁寧に叩いていく。計っていたわけではないが、恐らく30分近く。

出来たものは、烏賊のつくねのようで、何処を食べても烏賊。焼くタイプのもので最初の印象はあっさりとしているが、噛めば噛むほど、烏賊の旨みがじんわりと広がる。確か5-600円。手間を考えると、こんな値段でいいのか心配になるが、地元の方にとっては家庭料理。それ以上の値段もつけられないのだろう。

悦に入っていると、隣の方から声を掛けられた。宮崎から来た向かいのホテルに泊っている方だそうで、父が宮崎出身だと話すと、これも何かの縁と酒も話も進む。ホテル前だという立地ならではの、楽しい出会いのおまけつき。

飲んで食べて堪能して、一人3,000円。弘前に来たら、立ち寄らなければならない店が、また一つ増えてしまった。

関連記事:青森 冬の旅 その1 ストーブ列車、炙りするめとカップ酒
       青森 冬の旅 その2 しまや (弘前) 

       
【お店情報】
土紋 弘前市大字代官町99 地図

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コメント

いつもながら、鋭いグルメレーダーの「のむのむ」さんに感服!
自衛隊のイージス艦より、よほど高性能ですね。

料理に無駄が無い、佳店ですね。
青森には行った事がないのですが、
「貝焼き」はネットのレシピの手助けで、
自分なりに作っているのですが大きな貝が無くて…
本場ものは違いますね、グラタンみたい。

投稿: よろ~よれ爺 | 2011年3月 7日 09:56

青森県内の居酒屋さんでは、白子だったり、ウニだったり、鮪だったり、充分一品料理として出せるものが、お通しで出て来るんです。
今回は、豊盃に合うお料理を堪能されたようで、何よりです♪
「青森のむのむ」ブログの立ち上げ、心よりお待ちしております(笑)。

投稿: Kuu@まるごと青森 | 2011年3月 7日 11:46

●よろ~よれ爺さん
青森で買ってくるのを忘れたなぁと思ったのが
貝焼き用の貝殻です。
家で作るとしても、大きな貝じゃないと
作り難いし、もう一つ盛り上がらないですもんねぇ
こちらのものは手のひらよりも大きくて、
これは本場じゃないとなぁと思います。
青森では家庭に一つはあるそうですよ。
お土産用のものもありましたが、
地元の方向けのお店で探してみたいです。

投稿: のむのむ | 2011年3月 8日 08:14

●Kuu@まるごと青森さん
ほんと、青森の食の豊かさを目の当たりにした気がしました。
東京で味わう青森も素敵ですが、現地の凄さを改めて感じました。

「青森のむのむ」は、まだまだ荷が重いので、
とりあえず「青森」タグを作ってみました!(笑)

投稿: のむのむ | 2011年3月 8日 08:23

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