そば屋 長森 (南魚沼・五日町)
肴と酒と、雪見酒
年末、アンドラで過ごす中、唯一外出したのが、「八海山」の蔵元が経営する「そば屋 長森」。背の低いくぐり戸を抜けると、旧家から持ってきたという見事な梁に土間、長い廊下。古民家風のゆったりとした造りが、休日の午後を過ごすに好ましい。
そして、クリスマス寒波の到来のお陰で、目に映るのは白銀の世界。昼からゆるりと飲るに、この上ないシチュエーション。
酒はもちろん、八海山。季節限定のしぼりたて原酒「越後で候」。肴には、これを食べに来たと行ってもいい「やたら漬け」。大根やカブ・白菜・糸瓜など冬の野菜と身欠き鰊を加えて、麹を混ぜて発酵させたもので、「やたらにうまい」ことから、「やたら漬け」と呼ばれているらしい。コリコリとした食感を残した野菜、身欠き鰊の旨みと仄かな渋み、麹で円やかさを帯びた味わいがなんとも染みる。写真奥は、鰊の山椒漬け。噛みしめるとじんわりと旨みと、追っかけるような辛味が、飲み心を誘う。
大きな玉子焼きは、やや甘めの素朴な味わい。「出汁巻き」ではない、この味付けが好ましい。そばは、田舎そばを。汁は、濃いめの「江戸前」と、出汁の利いた田舎風の2種類からの選択。水の良さが必要なのは、酒も蕎麦も同じ。
敷地の隣には、世界の食や酒にまつわる本を集めた「八蔵資料館」。食べること、飲むことが好きな人なら、このスペースも楽しいことこの上ない。9月には、八海山の酒粕と原酒を使った饅頭や、バームクーヘンを販売・イートインできる喫茶店が併設されたそうだ。こちらも既に人気だそう。
【お店情報】
そば屋 長森 新潟県南魚沼市長森415-23
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