アンドラモンターニュ (南魚沼)
『食い飲み眠る、しあわせ』は、何度あっても好いもので
ここ数年、年末に訪ねているオーベルジュ『アンドラ モンターニュ』。最初の数年は、スキーをするのが定番だったが、この2年は、『食べて寝て、持ちこんだ本を読むだけ』。このオーベルジュのコンセプト『食い飲み眠る、しあわせ』に真っ向から向き合った格好だ。
毎年伺う理由は、そのコンセプトに惹かれただけではなく、渋谷でフレンチシェフとして腕を揮っていたオーナーシェフが繰り出す料理とワイン、心地いい寝床、そして、オーナーシェフとマダムの人柄に魅了されてしまったからだ。1泊2日で15,800円。夜は、アミューズからデザートまで計8品、朝は自家製のハムやベーコン、生気漲るサラダやスープなどが並ぶ。今回は2泊めの夜のメニューと、特に印象的だったものをご紹介。
アミューズ:内藤さんの苺と健ちゃんの牡蠣の焦がし焼きサラダ
「苺と牡蠣を一緒にどうぞ」という案内に従うと、牡蠣のミルキーさと苺の甘酸っぱさの組み合わせにニヤリ。甘さの強いの苺ではなく、酸味があることがポイント。
2皿目:黒トリュフのスクランブルエッグ
3皿目:能生漁港の平目のシュニッツェル
オーストリアで食べられるシュニッツェル(カツレツのようなもの)を、平目で。酸味を効かせた蕪や紅芯大根と共に。
4皿目:大沢地区の極上コシヒカリのおかゆ
ここに来る楽しみのが、「大沢地区の極上コシヒカリ」。メニューは毎日変わるが、このコシヒカリは、必ず、3皿目におかゆ、リゾットなど形を変えて出され、最初に訪ねたときに深く印象に残ったものだ。
魚沼のコシヒカリといえば、言わずと知れたブランド米であるが、こちらで使われる米は、魚沼の中でもとりわけ旨い米ができるといわれる大沢地区のもの。それも、古くは徳川家・上杉家に献上していたもので、今は作付前に料亭等からの予約が入り、市場にほとんど流通していないものらしい。出回っている病に強い品種ではなく、古くから作られている品種改良前にものだそうだ。
いつもは魚のアラなど、魚系の出汁で炊かれる粥だが、この日は初めてという次に出る肉系のスープで炊いたもの。強い香り、旨みにも負けない米の旨みに、改めて驚かされる。
5皿目:和牛と津軽鶏とエゾ鹿のコンソメ
先のおかゆで驚いたが、このコンソメには、また凄かった。こんなにも澄んだ輝く色のスープなのに、その香りの躍動感たるや。そして、口に含むと野駆ける力強さがあるものの、澄み渡る透明感に圧倒される。
6皿目:名物!フォアグラサンド
渋谷のアンドラでも出されているフォアグラサンドは、一緒に挟み込まれた大根がポイント。
7皿目:根室産 天然エゾ鹿のもも肉の軽~い赤ワイン煮込み
8皿目:シュートレン
1日目のアミューズの一つ:能生の平目の白トリュフ〆
キッチンからでも漂うほどの豊かな芳香なのに、品の佳い香り。上質な平目ともよく寄り添う。訪ねた一皿目から出てきたこれに、来てよかったー嬉しくなった。
冒頭の写真は、牡蠣のポワレとフラン。
こちらで毎年牡蠣を頂くが、今年は生育が遅くてこの日が初入荷。シェフも待ちに待っていただけあって、ポワレはプリプリとして、フランは牡蠣の濃厚なエキスをたっぷりと抱いたふわりと溶ける口当たり。
これだけ飲んで食べても、翌朝はお腹が空いて目覚めてしまうという不思議。昨年は夏も伺って、季節毎の愉しみも知ったアンドラ・モンターニュ。さて次は、どの季節に伺おうか。
朝食や過年のメニューは、下をご参考に。
2011年夏①② 2010年冬 2009年冬 2008年冬①②
【お店情報】
AUBERGE-ANDRA-MONTAGNE 南魚沼市宮野下1191-1
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