福よし (気仙沼) の近況と店主からのメッセージ
昨年の東日本大震災で被災、消失した気仙沼にある名酒場「福よし」から、再建の便りが届きました。
4月24日から、新店舗の建設が始まり、早ければ6月の終わり、遅くても7月の半ばには完成する予定だそう。
この夏、「日本一の焼魚」が帰ってきます!
下は、店主の村上さんからのメッセージ。お世話になった多くの方に知らせてほしいとのご意向により、写真と供に転記します。
再開が本当に待ち遠しい。「福よし」については、こちらをご参考に。
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気仙沼 福よし店主より
ご支援頂きました皆様へ
沢山のご支援をいただいた皆様、その後、お変わりありませんか。気仙沼もようやく桜の花が咲き始め春らしくなって来ました。福よし一同もみんな元気でおります。今日はご支援をいただいた皆様にうれしい知らせがあります。
あの大地震から早や一年を過ぎ、今月の4月24日、やっと新しい福よしの再建が始まりました。完成は早ければ6月の終わり、遅くても7月の半ばまでにはと思っていますが、一日も早くまた皆様とお逢い出来る事を楽しみにがんばって工事を進めていくつもりです。
新しい福よしの場所は、前の店の駐車場にあたる場所です。今度の店を作るにあたり、立てる場所を高台の方とか、町の奥の方とか色々と思案したのですが、考えれば考えるほど迷うものです。それで自分なりに前の福よしを、なぜあの場所に作ったのかを思い出し決めました。
「港、気仙沼、全国からの多くの漁船が目の前に並び、町の明かりが水面に浮かんでゆれる。そんな風景を目の前にして、店を作り、そんな中で皆で色々な話に花を咲かせられたら、そしていつの日か自分のヨット買って店の前に泊め店が終わったら船で飲むか」というのが福よしを作る時の29歳の夢でした。
気仙沼の港はとても静かでいい港ですが、その港を目の前にして魚料理を食べさせる店が一軒もなかったのです。それゆえ以前のみせも少しでも海の前ではなかったのです。もしあの大震災がなかったらきっとあの店で終わっていたかも知れません。いまだに家に帰れない方が沢山おります。そのことを思うと一言も無いのですが、自分にとってはあの大震災のきっかけでここに新しく福よしを作ることになりました。
そんな思いの中から始めるなら海のそば、以前の駐車場の所と決め、工事が始まりました。ですが、町は以前の姿はまったくありません。人が住んでいる建物はほんの少しで、周りは全部壊されて残っているのはコンクリートの基礎だけです。それでも岸壁には大小の漁船が沢山並ぶようになり以前の港らしくなって来ました。あとは前に進むだけです。国で言っている5年計画で、10年計画でと言う言葉を待っていたら自分の人生の方が無くなってしまいます。今日、明日がなかったら5年先も10年先も無いという感じです。そしてこの福よし再建にあたり、多くの皆様から沢山の励まし、
「元気ですか、無事でしたか、生きてた、お店は、家は、みんな無事、水は、米は、電気は、たりない物は、なにしてるの、店作るの、いつ、カウンター予約しておくから、どこに・・・」
ご支援を本当にありがとうございました。揺れる心を何度となく立ちもどされました。あの大地震で、今までの人生で何が正しかったのか、何が正しくなかったのか、考えさせられる思いです。今までの一つ一つが本当に大切な時間の中に積み重ねられてあったんだなと、つくづく思います。
新しい福よしが出来るにあたり、「店ってなんだろう お客さんってなんだろう おいしいってなんだろう」
沢山のなんだろうを純粋な気持ちの中で考えて見たいと思っています。今も頭の中に沢山の皆様の顔が浮かんで来ます。一つ一つ皆様の席を思い浮かべながら新しい福よしを作っていくつもりです。一日も早く皆様とお逢い出来る事を楽しみにしています。そして皆様からの心からのご支援大切に使わせていただきます。
本当にありがとうございました。
心からお礼申し上げます。
「福よし建て始めました。
あれ あそこ
海のそば
もとの駐車場
いつ出来んの
たぶん七月のはじめ」
夕方5時開店
福よし店主
村上 健一
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