Bistroぺるしぃ （東銀座）

この季節の楽しみは、モンサンミッシェルからの美味しい便り。

暫く伺わないと、『ぺるしぃが足りない』みたいな感覚になって、イソイソと電話して。すると、3種類のペーストから始まる幸せな5皿が、幸せを運んでくれる。今回のペーストは、定番的な焼き茄子、レバーペーストに加えて、秘伝豆のペースト(写真左)。もちもちの自家製パンにつけて口にすると、秘伝豆が持つ濃い旨みにコク味、香りが、ぶわっと口に広がって、感じるのは豆自体の力強さ。その鮮やかさは、ちょっと感動的なくらい。

青森産の天然ひらめの皿には、こだわりの野菜も豊富にのる。若い空芯菜に、生で食べられるピーマンや春菊は大阪から。トマトは、甘みが強く柔らかいキャロルセブン。ピクルスにされた茗荷は山形産。

この丸い膨らみのついた山菜は、こちらも山形は新庄から届いたみずの実。シャキッとした食感とぬめりで、好きな山菜の一つだ。

そして、3皿めは、モンサンミッシェルから届くムール貝。この時期に伺ったときには、何度かこのムール貝を出して頂いたから、「もしかすると出るかな？」と楽しみに来たのだ。

ある時は、パスタだったり、ある年はリゾットにまでして頂いたが、今年はシンプルにトマトのソースで。貝殻は小振りだが、身は凝縮された旨味があってクリーミー。たっぷり山盛りの一皿が全部一人占めできるという幸せ。もちろん、ソースの一滴まで綺麗にパンで拭って。

肉料理は日向鶏とミートローフの盛り合わせ。ジューシーなメインの周りには、この皿にも、寄り添う野菜が盛りだくさん。繊維質がきめ細かで独特の歯ざわりの岡の台ごぼうに、香り豊かで歯触りのいい天然の舞茸。皮の柔らかい茄子。皿の隅々にまで、「今日はこれを入れてみました」があるのが、ぺるしぃへ来る楽しみの一つだ。

今日は、珍しくデザートのある方のコース。自家製のチョコレートケーキ、アイスに、最近、いろいろなお店でよくお目にかかるシャインマスカット。種がなく皮ごと食べられるというメリットだけでなく、しっかりした甘みと香りの良さが魅力。

季節の恵みと新しい恵みが、今日も盛りだくさん。何度も伺っているのに毎度驚かされるのは、食材と料理への探究心の成せること。ここに来たら、気軽な居心地の良さの中に、身を委ねるのみ。

【お店情報】
Bistroぺるしぃ　銀座3-11-8 第6丸嘉ビル1F　地図