おおはま (阿佐ヶ谷)
*残念ながら、2013年8月末をもって閉店。
間違いなく今年も最もお世話になった店の一つ。仕事で遅くなってお腹を空かせて訪ねても、どこかで飲んでやってきても、必ず、美味しい料理と酒が迎えてくれる。
オープンして2年と少し。駅から徒歩10分弱。それも、表通りから見えない、中杉通りから斜めに入る小路沿いと、立地は全く恵まれていないが、10人も入ればいっぱいのカウンターはいつも満席の繁盛店。だが、10時を過ぎるころになると空席ができ始め、頃合いを見計らっていたご近所のご常連さん方が一人、また一人とやってくる。この1年伺って、写真に残した中から印象的な料理たちをまとめてご紹介。
仕入れによって毎日品書きが異なる故、何度伺っても楽しみなのが品書きを眺める時間。暑い時期ならば生ビールを、寒い時期ならば小さいビールを貰っての気持ち浮き立つ時間。その傍らにあるお通しも楽しみの一つだ。ある日は美しい煮物だったり。
ある夏の日には、タコと胡瓜、海月の酢の物だったり。きっちりと下仕事されたお通しは、これから始まる好い時間の序章として相応しい。
刺身を始めとする魚料理、野菜中心の料理、完全なる酒のアテ、お腹に貯まるものと料理は幅広く、客によって注文の仕方は様々だが、自分は、大体日替わりの野菜小鉢と(単品300円、三品盛り600円)に、メインとなる料理を1つといったスタイルが多い。
ある夏の日には、ゴーヤサラダにトマトのお浸し、牛蒡の山椒炒め。
また、別の日には、薇、ニラたま、茄子の煮浸し。この煮浸しは、後日連れて行った後輩が皆大感激した一品。料理としてはよくあるものだが、口にするとその丁寧な拵えに目を見張る。ほんと、それがおおはまさんの料理も魅力。
メインとする料理も、品書きの右から左まで旬がたっぷり。2月に伺ったときには自家製のさつま揚げ。注文してから作るため、入れる青みを聞いてくれるという嬉しい試みで、このときは芹でお願い。食べるほどに広がる芹の香りが、今も鮮明に残っている。
3月に伺ったときは、ホタルイカと山菜の天ぷら。腸入りのぷっくぷくのホタルイカで、噛むほどにじゅわりと溢れ出る旨いキモ。山菜の苦みもよろしく、季節感を感じるに十分な一皿。
或る時には、鮎の塩焼き(冒頭)に、また或るときは、カツオの刺身。
フライがまた旨い。遅い時間を考えると躊躇してしまいがちだが、旬を生かした軽いフライで、ついつい注文してしまう。ある夏の日のアジフライは、中がレア。サクサクの軽い衣に包まれたアジは肉厚で旨みもたっぷりで、ニンマリさせるに十分。
また別日のアジフライは、自家製のタルタルをたっぷり添えて。写真はないが、カキフライとアジフライの盛り合わせなんて日もあったりと、同じメニューでも、その日によって様相が異なるのも楽しいところだ。
最近頂いた中で印象的だったのは、原木の舞茸の天ぷら。存在感ある食感に、鼻腔深くまでに届く香りの旨いこと。燗酒をツルリと飲ると、もう堪らない。日本酒は、純米酒を主体に常時10種類程度(半合400~550円程度)。品書きに出ていないものもあるので、料理との相性や好みを伝えておすすめを聞くのもいい。
一人で切り盛りをされているため、混みあう時間には少々時間がかかることもあるが、そこは、品書きに記された「早くできるもの」「時間のかかるもの」を目印に注文するのが吉。先ずはと、早く出ていろいろと味わえる、おつまみ八種盛り合わせ「おまかせちょっと盛り(1,200円)」を注文する人も多い。
この素晴らしい店が最寄り駅にあることが、自分の生活に、どれ程の歓びと彩りを与えてくれているか。来年もお世話になります。
【お店情報】
旬の菜と旨い酒 おおはま 阿佐谷北1-44-14 阿佐ヶ谷北MTビル102 地図
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コメント
おおはま,行ってみたいです.
じつは,ノムノムさんのポストを見て,他店でレアのアジフライを頼んでみたことがあるんですが提供された時にはすっかり火が通っていて残念なことに・・・
中央線沿線,課題店ばかり増えて困りますw
投稿: nobi | 2012年12月18日 12:40
●nobiさん
おおはまさん、ホントいつ行っても大満足で
どなたに紹介しても、気に入っていただけるお店です。
中央線出没、期待していますw
投稿: のむのむ | 2012年12月19日 08:20