BISTRO ANDRA・ビストロアンドラ (渋谷)
満を持してのアンドラの源流。渋谷アンドラでアンドラモンターニュの再開を祈念。
毎年年末訪ねるほどに大好きな、南魚沼のオーベルジュ『アンドラ・モンターニュ』。そのオーナーである塩田光治さんが、元々料理を作っていたのが、この渋谷ビストロアンドラ。今もお兄さんの市治さんが守る店だ。場所は、渋谷区役所のすぐ近く。渋谷が苦手な自分だが、喧々した場所から少し離れた場所。横道を入ったビルの3Fに上ってしまえば、そんな喧噪を忘れてしまう。
出だしは、ランタンルージュでも見かけた代金がそのままモンターニュへの義援金になる梅酒(500円)。傍らには、お通しの具をたっぷりと混ぜ込んだミニオムレツ。片手にしたメニューには、前菜的なものから、モンターニュと同じく新潟は能生からとっている魚を使った料理、どっしりとした肉料理が並ぶ。キッチンの中には戸田シェフ一人。その日お願いする分を一度にお願いするのが、スムーズに食事を進めるためのコツだそうだ。
最初に運ばれてきたのは、その日入った鮮魚の刺身。刺身といっても、カルパッチョ的な仕上げのもの。むっちりっとした身に、マスタードの辛味とヴィネガーの酸味がほどよく効いたソース。たっぷりと添えた野菜が、目にも口にも嬉しい。
アンドラの定番といえば、健牡蠣。広島は地御前、川崎健さんが育てる牡蠣だ。この日の牡蠣メニューは、生、シャンパン蒸しと、以前モンターニュで頂いた牡蠣とイチゴの焦がしサラダの3種類。他のメニューとの取り合わせを考えて、選んだのはシャンパン蒸し。隙間から覗く牡蠣の姿と漏れる香りが、誘うこと、誘うこと。
だけれども、中の美味しい汁を溢さないように、そぅっと丁寧に自分の皿に取り分けて。殻を外すと、もう堪らん。
聞けば、今年の牡蠣は生育がやや遅いそうだ。もう少しすれば、シャンパンを入れる隙間がなく、シャンパン蒸しができなくなるほどに身が肥えてくるのだそうだ。大きい牡蠣も食べたいが、シャンパン蒸しも捨てがたい。ううん、実に悩ましい。ちなみに、健牡蠣は5月中旬まで楽しめるそうだ。
玉ねぎのキッシュは、玉子料理というよりは、玉ねぎの蒸し焼きのような、玉ねぎの甘味を凝縮させた一品。ワインのお伴にぴったりでニッコリ。
続いて、テッドドフロマージュに
見るからに健康的な野菜がてんこ盛りの焼き野菜の盛り合わせ。添えられたアンショヤードの芳しい香りと塩気が、また食欲と飲み心を誘うんだ。
最後に、トリッパの煮込み。この日はメイン的な料理をお願いしなかったが、この季節ならではの鹿や、たっぷりとした鴨のコンフィなども。もちろん、アンドラの定番「フォアグラのサンドイッチ」も健在。
グループで、またはカウンターがあるため一人二人でも。時間を気にせず、のんびりとたっぷりと楽しむにぴったり。コンサートの後などにもおすすめだ。
【お知らせ】
渋谷アンドラにて、来月10日、アンドラ・モンターニュの塩田ご夫妻を励ます会が行われます(詳細はこちら)。また、モンターニュに関する情報は、Facebookページ(Facebookに登録されていない方もご覧頂けます)でも発信されていますので、ぜひご覧ください。
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