亀七 (阿佐ヶ谷)
自分にとって、今一番アツい店。印象的だったのは、とりあえず入ってみようと扉を開けたときの、折り重なるふくよかなスパイス香。カレー店のそれではなく、だけれども異国感のある香りだ。その正体は、ペルー料理。訊ねてみれば、店主は、新橋の荒井商店にいらしたそうだ。
阿佐ヶ谷を縦断する中杉通り沿い。閉店した小僧寿しの跡に何ができるんだろうと気になっていたところ。どうやら飲食店っぽいが、カレー屋?パスタ?などと正体がつかめない。だけれども、すごく気になる。そこで冒頭の「とりあえず入ってみよう」となった次第。
とはいえ、ペルー料理だけでなく、国境を越えた旨い料理もたくさんで、片手では優に足りないくらいに訪ねたけれども、未だその正体はつかめていない。ただ確かなことは、この店が大好きだということだ。
ペルーらしい料理といえば、最近定番になったアンティクーチョという串焼き。ペルーでは屋台などでもよく売られているハチノスやハツにピリ辛のタレを漬けて焼いたものだ。黄色い唐辛子「アヒ・アマリージョ」を使ったペーストとともにパクつけば、辛さは程良く、変に後を引かないあっさりとした味わい。それよりも印象的なのは、唐辛子やニンニク、クミンなどタレの内からの香り。ハチノスやハツ単品でもいいが、それぞれの特長がよく分かる盛り合わせがいい。
ある日のメニューには、セビチェ。白身の魚やイカなどを、紫玉ねぎや唐辛子・香草などとレモン汁で和えたもの。酸味でさっぱり。しっかりした肉料理の前に、傍らに好い。付け合わせにそっと添えられる白い大粒のとうもろこしにも、心奪われる。
ペルー料理以外には、肉の煮込み料理やパスタなど。12月のオープン当初からある肉の煮込み料理なら、今の定番は、豚なんこつのトマト煮込み。馴染みのあるトマト煮に、香る異国感。身近だけれども感じさせてくれるワクワク感が堪らないんだ。
今の季節ならば、牡蠣料理も。牡蠣はもちろん、残ったオイルも素晴らしく美味しいアヒージョや
寒い日には格別の牡蠣のグラタン。
最近のイチオシは、鶏のハラミ。写真は焼きだが、揚げ物にグラタンとその様子は様々。肉料理だけれどあっさり。けれども旨い脂があって、ワインのススムこと、ススムこと。
ちょっとしたツマミにいい、軽めのピッツァも。ワインは、オーガニックに拘ったものがグラスで550円からだが、値段を感じさせない美味しい揃い。焼酎や日本酒などもあり。個人的なおすすめは、生ライムサワー。サッパリとしてキレよく、ここの料理にもよく合うと思う。
「ワイン一杯からでもどうぞ」という敷居の低さも嬉しいところ。そんな合いの手として、また料理が出てくるまでのつなぎとして、ペルーの代表的なつまみ、トウモロコシを炒った「カンチータ」やピクルスなど手軽なツマミも。
ペルー料理は日本人に馴染むと聞くが、ここに来ると、それが本当のことだと思う。それに加えての感じ好いゆるい居心地の良さ。仕事終わりに夕飯替わりに、またちょっと一杯と、ついつい週に一度立ち寄ってしまっている今日この頃。開店以来、だんだんとメニューも増え、楽しさも増加中。まだ始まったばかりの若い店の、これからが楽しみで仕方がない。
*メニューは随時変更しているため、同じメニューがあるとは限りません。
【お店情報】
亀七 阿佐谷北1-37-6 地図
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コメント
荒井商店はランチで一度行ったことがあります
一人客のワタシに写真集を見せてくれるとか
気を使ってくれたのがいい思い出でし
しかし荒井商店といいここといい
名前だけだとペルー料理とはわかりませんよね
亀七 正統派の居酒屋みたいなネーミングだw
投稿: ぶひ | 2013年2月17日 22:16
●ぶひさん
お店に行っても、何料理屋だかわかりませんw
でも、ゆる~くいい雰囲気で大好きです。
投稿: のむのむ | 2013年2月18日 08:05