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2013年2月24日

親爺 (富山)

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4年前に訪ねた富山で、文句なしに気に入ったのが「げんげ」。そんなわけで、毎年この時期になると、あの味に会いたくて富山へ飛びたくなるところ、念願叶っての冬の富山路。4年ぶりに降り立った富山駅は、北陸新幹線の開通に伴っての工事が進んでいて、記憶にあるものよりも、随分と整理され都会的な街になっていた。

「げんげ」を好きになるきっかけを作ってくれたのが、「親爺」。名物は、暖簾にも記されているおでんと、キトキトの富山の魚の大衆酒場だ。すっかり変わった町並みに、店の場所が分かるかなと少しゴミゴミした繁華街に入ると、その辺りは変わりなく、あぁ、記憶にあると、迷うことなく辿り着いた。開店は4時。どうやら、口開けの客だったらしい。

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早速、カウンターを陣取り、とりあえずは瓶ビール。目の前にある、ゆらりと湯気の上がるおでん鍋に、まずは、これを頂かなければなるまい。

名物のおでんの中でも、特筆すべきは「かに面」。万寿蟹(香箱蟹)の丸ごと一杯分を詰めた種だ。自分で殻から外さなくてもいい蟹身に、醤油は使わず、昆布をベースとした美しく柔らか出汁が染み入れば、その旨さは云うまでもない。さらに、殻を向く手間もなし、乾く心配もなしと、この上なく上等なツマミだ。もちろん大根や、しっかりと魚が主張するつくねも美味。

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お隣は加賀の野菜「金時草」のお浸しや

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ポテトサラダなんていう、大衆酒場らしい品も。この頃になると、ご常連方が、一人また一人とやってきて、カウンターが埋まっていく。

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燗酒をお願いすると、温めてくれるのは大きなちろり。折しも外は雪。旨い湯気に、染み渡る燗酒。この上ない倖せに、もうちょっとおでんをと、大好物の玉子の大盤振る舞い。そして向かうは、〆でメインの「げんげ汁」。

「げんげ」とは、海の深いところで生活する、全身がゼラチン質で覆われた魚。昔は底引き網で大量に獲れ、商品となる売れる魚を傷つけるとして疎まれ、捨てられていたそうだ。「げんげ」の名の由来も、「下の下」から来たものという話がある。ぬるぬるとした表面に、正直可愛げのない顔に、嫌いな方も多いそうだが、あっさりとしつつも脂と旨みの詰まった味わいは、一度食べると忘れられない。

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から揚げや「親爺」なら天ぷらも、葱たっぷり「げんげ汁」は格別。表面のぷるぷるの中は、柔らかくて淡い身。ホワホワと温かく、身に染みる旨さ。白髪の二代目ご主人に聞けば、「げんげと一口に云っても30種類ほど。けどうちは、シロとクロしか使わないんですよ」と云う。前日金沢に居て、げんげ(幻げんぼう)を頂いたけれども、随分と違う印象だったのはそういうことだったのかもしれない。

二代目、女将さんに、以前より存在感を増した三代目が切り盛りをする。1階から3階までと箱は大きいが、この温かみは家族の温み。それにしても、思うのは、富山の料理の素晴らしさ。キトキトといわれる魚介だけでなく、加賀野菜に、京都や金沢を思わせる繊細な料理法。その思いは、次に伺った繁華街外れの地元の方が集う店で、更に強くする。

【お店情報】
親爺 富山県富山市桜待ち2-1-17 地図

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コメント

うむー
日本列島うまいもん巡りですな
富山は一生行くことがないですが食べ物は魅力的だなあ

投稿: ぶひ | 2013年2月24日 22:35

●ぶひさん
時間とお金があれば
行きたいところはたくさんあるのですけどねぇ
今回は、金沢から富山に入りましたがとても楽しかった。
とくに、この季節はいいですね。

投稿: のむのむ | 2013年2月25日 08:08

富山在住の猫城です。
突然富山のお店が出てきたので驚いております。
げんげは富山の者も普通には食べません。もちろん自宅で鍋にいれる家もありますが、
そもそもスーパーにあまり置いてませんし。
でも私も親爺のげんげ汁は大好きです。汁が本当に美味しい。

とにかくのむのむさんに富山をこんなに褒めていただいて嬉しいです。
次にどのお店に行かれたのか、金沢ではどこのお店に行かれたのか気になります。

あ、それと空路でいらっしゃったのでしょうか?
この時期富山空港は雪による欠航や羽田引き返しの目にあいます。
楽しい旅行の場合は小松空港から入って金沢と富山、両方を堪能するのが良いかと。

長文失礼しました。

投稿: 猫城 | 2013年2月25日 21:49

●猫城さま
富山ご在住でいらっしゃるのですね。
コメントありがとうございます。
げんげは足が早いと聞きますが、普通には食べるものではないんですね。
親爺のげんげ汁を頂いたときは、なんだこの美味しい汁ものは!と
大感激しました。それで今回の旅となったわけですけど
今回は、富山に大感激。
ぜひ、また伺いたいと思っています。

今回は、小松から入って、帰りは富山空港でした。
次もこの時期になるはずですので、
今後も小松空港を使うことにします!

投稿: のむのむ | 2013年2月26日 07:37

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