陶そば かけそばと、ふきのとう、菜の花の天ぷら (銀座)
温かさにどうしても春らしいものが食べたくなった。春っぽいもの...。そうだ、山菜の天ぷらなんてどうだろう。あそこならきっとあるはずと向かったのは、陶そば。女将さんが引く天然出汁の効いた汁と、季節の天ぷらが旨い立ち食いそば屋だ。
狭い店内には、既に先客が3人。余裕のある奥へ行こうと思ったが、自分の存在に気がつくと、皆が少しづつ奥へと詰めてくれて、自分の場所を作ってくれる。「ありがとうございます」と会釈をして、次に目遣るは頭上にある「今日のおすすめ」の短冊。ふきのとうに菜の花、ごぼうのかき揚げ等々。いいぞ、あるある。ふきのとう(120円)と菜の花(120円)を迷ったが、迷ったときには両方が正解だ。
噛むほどに清々しい香りとほろ苦さを広げていく、かけそば(350円)の一面に浮かぶ春。息をするのも勿体なくて、ふぅんと黙り込むと、「いい香りですよね」と女将さん。奇しくもお隣の方もふきのとう入りで、「うんうん」と頷き広がる幸せな連帯感。ずるずるっと啜った帰り道でさえも、口腔に残る香りにうっとりとして、気軽に、こんなにも季節を満喫。我ながら佳い選択だったと、自分で自分を褒めてあげたい。
【お店情報】
陶そば 銀座6-3-6 地図
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