おかみ丼々和田 昼の他人丼と、夜のこと (築地)
子供の頃や京都での大学生の頃は、品書きの中に「他人丼」を見ることがあったが、考えてみれば、東京に来て見たのはここが初めてだと思う。昨年初めて伺ったとき、「他人丼」を出しているのが珍しいと思ったが、京都で修業されていたと聞き、なるほどなと納得したものだ。その時は親子丼を戴いたから、今回はその他人丼(850円)を。
牛肉と、半熟すぎない絶妙のタイミングの玉子に九条葱。鶏肉よりもぐっと肉の存在感があるが、やっぱり軽やかさを感じるのは、味付に頼らず、美味しい京都の出汁で頂く丼だからと思う。
親子丼、他人丼の他には、豚と玉子の豚丼。こちらはどんな感じだろうか。出汁に癒され、女将さんのにこやかな雰囲気に、また癒され。胃も気持ちも満たされる好い昼餉。
続きを読むでは、夜の様子をご紹介。
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夜にお伺いしたのは年末もかなり押し迫った頃。友人との最後の忘年会。女将さんを囲むように設えられたL字のカウンターは、我々ともう一組で満席。女将さんからも客からも全てを見渡せるという空間は、和気藹々として温かいこの店の雰囲気を醸すのに、一役買っていると思う。
この日はコースをお願い。家庭料理というが、素材への拘りと手間暇。少しづつ沢山の種類を出してくれるところなどは、家庭では到底無理で、こういう店が近くにあるといいなと思うこと請け合いだ。
花豆を始めとするつきだし三種。
かぼちゃのサラダに、巨大れんこんのシャクシャクとした食感が美味しい金平。
築地、宮川食鳥鶏卵のレバーを使ったレバー煮。形も見事ならば、味もお見事。レバーのこっくりした旨みをさっぱりした味付けが引き立てて、酒も進むというもの。酒は、伏見の「まつもと」がいろいろと。他、ビールに焼酎、ワインと一通り揃う。
この日印象に残ったものの一つが、茶ぶりにしたなまこ。自分の実家の辺りでは、正月になまこを食べる習慣があるが、それは一般的なコリコリとした食感のあるなまこ。けれども、初めの茶ぶりなまこは、シコっとした食感の後は柔らかく上品。処理の仕方でこんなにも違うものになるんだ。
小松菜とあげのたいたんに、
牛筋と京都の丸大根の煮物。
ふぐのから揚げに
酒粕で漬けた豚肉。
最後には、はりはり鍋。
食後にはルレクチェのコンポートと、よくぞ最後まで辿りついたかという品数。それでも、出汁を生かした味付けと、楽しい雰囲気にスルスルと胃に収まってしまった。旬のものを食べて頂きたいと、その時期ならではのものを揃えているから、そろそろ新しい季節の料理を頂きに行かなければと思っている。
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コメント
のむのむさま
こちらも、行かねば・・・と思いつつの宿題店です。
美味しい京都の出汁を味わいにいざ!参ります(笑)
夜のお話も楽しみです。
そういえば、近くのふじむらさんの角煮もまだでした。。
色々考えると、宿題店が多い事に気が付きます(笑)
投稿: みゅうさ | 2013年4月30日 00:52
●みゅうささん
ほんと、よく考えると宿題にしたままにしているところが多くて。
毎年、「今年こそ」と思うのですが(笑)
こちら、来週の「王様のブランチ」に出るそうですので、
来週以降だと、暫く混んでしまうかもしれません。
投稿: のむのむ | 2013年4月30日 00:53