カレーコーナー 三原 (銀座・三原橋)
Wikipediaによれば、日本で3番目に開設された地下街とされている三原橋地下街。耐震性の問題による東京都からの立ち退き要請に応じ、地下街にあった店舗の多くは既に店を閉め、銀座シネパトスは3月一杯で閉館。最後の瞬間の輝きは、記憶に新しいところだ。
シネパトスの閉館で、これまで以上に静かになった三原橋地下街だが、6月の初頭、まだ2軒の店が営業を続けていた。一つは地下街の中程にある一柳(追記:一柳さんは、7月5日にて閉店)。もう一つが、カレーコーナー三原だ(なお、もう一つの「三原」は5月一杯で惜しまれつつ閉店した)。定食類、特に、金曜日に格安になるフライを乗せたカレーで知られているが、酒を出す店。以前から、定食の頭(ご飯とみそ汁なし)で一杯飲りたいと思っていた。
訊ねたのは7時少し前。テーブルもカウンターもほぼ一杯。瓶のビールと、お通しに貰った豆腐と牛の煮込みでちびり。ご常連を初め、閉店が近いことを聞いてという方も。それをお父さんお一人で切り盛りするため、集う皆が時間と気持ちの余裕をもって、せかすこともなく、温かい雰囲気で待っている。これこそ、この店が築いてきたものだろう。
酒を貰って暫くして届いた〆鯖は、見た目は地味だが、結構旨い。右手のテーブルの先輩方4人組は、昔っからのお客さんで閉店を聞きつけての名残りの酒らしい。昔話に話を咲かせ、お父さんと写真を撮って。それに答えるお父さんも、始終ニコニコと楽しそうだ。
そんな中、お父さんにお願いしたのは、居酒屋の定番「ポテトサラダ」と、焼き立てで半熟ジューシーな「ニラ玉」。ポテサラ250円、ニラ玉320円。すぐそこは銀座4丁目交差点とは思えない。
シネパトス近くということもあって、有名な俳優さんや女優さんもいらっしゃるそうだ。客足が静かになってきた頃、その時に撮影されたであろう写真を指さしながら、「この時は・・・、あの方は・・・」と、ニッコニコと話してくれるお父さんに、胸はいっぱいだ。
続けられる限りというお気持ちは変わらないそう。できるだけ長く、その笑顔で、お客さんを迎えてくれることを願っている。
【お店情報】
カレーコーナー三原 銀座5-10-2 三原橋地下街 地図
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コメント
2014年8月3日(日)三原橋の未来と価値を検証する 緊急シンポジウムを 14時から 東京国際フォーラム G505会議室で 開催します。皆様 是非ご参加を。
投稿: 三原橋を考える市民の会 | 2014年7月27日 17:59