おかめ きしめんに玉子を落として （有楽町）

きしめんが食べたくて、交通会館のおかめ。今日は一寸した思惑を携えて。

母が作るきしめんは、油揚げと鰹節というシンプルなものということを書いたことがあるが、稀に、そこに玉子を落としてくれるときがあった。子供の頃から玉子が好きな自分は、これが殊の外嬉しかったものだ。

そんなことを思い出したもんだから、久し振りに玉子を落としたきしめんが食べたくなってしまった。おかめには、「玉子ぞうに」という、雑煮にポーチドエッグのような玉子が入ったメニューがあるから、もしかしたらやってくれるかもと思ってのこと。混んでいたら止めようと思っていたが、訪ねたら珍しく空いている。この様子なら…とお願いしてみたところ、快く引き受けてくれた(780円+玉子50円)。

「おまたせしました」と笑顔を添えて運んでくれたきしめんは、思い描いたとおりの、油揚げに鰹節、そして玉子様。噛むと甘い味が広がる油揚げ、出汁に浸ったかつお節の食感、やさしく旨味の広がる柔らかな汁と楽しんだ後、きしめんがもう少しだけ残るところで、玉子に手をつける。箸を入れ、とろりと溢れだした黄身をきしめんに絡めてつるり。きしめんにとろみとコクが加わって、そうそう、これが好きだったんだ。

会計を済ませると「ありがとうございました」と見送ってくれたが、ありがとうはむしろこちら。面倒な願いを叶えて下さって、本当にありがとうございます。

【お店情報】
甘味処 おかめ 交通会館店　有楽町2-10-1 東京交通会館B1　地図