はま作 かきと鮭のわっぱ飯 (東銀座)
牡蠣は、フライでも好きだし、焼いたり、蒸したり、炊き込みご飯にしたり、麺と一緒にしたりと、いろんな食べ方があって、どれも美味しいと思うが、牡蠣が寒い時期の旬で好かったと思うのは、このわっぱ飯を食べるときだ。
蓋から漏れる湯気に、この先広がる光景を思い浮かべながら恭しく蓋を取る。ぐわっと立ち上がる湯気と、その向こうには揺れる鰹節。その鰹節やら蒸されたご飯、ご飯に乗るなめたけの香りなんかも、ふわふわと自分に届いて、ふうんと美味しい香りに深呼吸を一つ。
落ち着くと、目の前には蒸されてぷっくりと膨れた牡蠣。その香りとエキスが仄かに染みたご飯と一緒に箸に乗せて頬張ると、温みと共に牡蠣の風味が口いっぱいに柔らかく広がって行く。そして、最後には、牡蠣に仕込まれた柚子の香りがふわりと抜けていくのだ。
牡蠣の向こうには鮭。こちらは塩っ気のある素朴な味わい。ほぐしてご飯をよく混ぜると、塩梅がとてもいい。
改めてすごいなと感心したのは、最後のほうになっても、ご飯に箸を入れると、その傍から湯気が新たに立つこと。いつまでもほわほわと温かいままというのは、寒い時期、何よりのご馳走だ。
何の気なしに壁をみれば、ランチタイムのちょっとした一品ということで、富山のかまぼこやら、いくら、白エビの刺身などが数百円であるそうだ。でも、このラインアップは酒が飲みたくなっちゃうからなァ…。甘党の方には、自家製ぜんざい(100円!)なんていうのもあるよう。
【お店情報】
新湊 はま作 銀座3-13-6 銀座KIビル1F 地図
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