Bistroぺるしぃ （銀座）

人生で最も美味しい誕生日。

人生最後の食事を考えたとき、思い浮かぶものの一つが、ぺるしぃで、全ておまかせにしたいということ。気楽で、手頃で美味しいワインと、坪井シェフならではの料理。とても体にも馴染みがよくて、全国各地から届く食材について、「これは、何処何処なのよ」と産地は元より、その生産者やバックグラウンドまで教えてくれるのが、とても愉しいのだ。

さっき、「全ておまかせにしたい」と書いたが、最早かなり近い状態。決まり事といえば、自家製のペースト３種類と、もっちもちの焼きたてパンが最初に出ることと、全５皿ということくらい。だからこそ、今日は何と出会えるんだろうという愉しみがあるのだが。定番のペーストと云っても、その内容は同じではなく、この日は茄子、南瓜に、この時期ならではのあん肝。これを焼きたてのパンにつけると、その熱でとろりと蕩けて。

ぺるしぃで初めてという鯖メニューは、ぺるしぃ風のしめ鯖。鯖はたっぷり厚めの切り出し。フルーティーで柔らかい酸味が、脂ののった鯖の旨味を引き出して、なるほど確かに洋風のしめ鯖。

先ほどの皿でも、好物に驚いたのに、この皿にはもっと驚かされた。大好物のオムレツに玉子サンド。クネルを巻き込んだのロールキャベツに、はちきん地鶏のソテー。それにしても、誕生日とはいえ、なんでこんなに好物が？と思って聞いてみれば、年末に伺ったときに、そういえばシェフの何を食べてみたいかというのを話していた気がするが、それを現実のものをしてくれたらしい。

オムレツなら、外は柔らかく焼き目があって、中は、柔らかすぎでも固まってでもない、見事なオムレツ。玉子サンドは、瑞々しく柔らかいパンに玉子。そしてポイントの分葱の程よい甘さと香り。酒のある席にこれがあったら迷わず頼むなァ、これ。

もう大満足だったけれども、「まだありますよ」と出してくれたのがこれ。パスタが出ることは間々あるが、蕎麦に胡麻、このスープは何だろう？ と口にすると、まるで担担麺。ハハハハ、ぺるしぃっぽい！

最後は、誕生日らしく飾ってくれたデザートプレート。

このぺるしぃで過ごす誕生日はこれが最後。というのも、今月25日でぺるしぃは閉店。とはいえ、そのうち、そう遠くない場所で新しい店を開く予定だそうだ。けれども、もしかすると、ランチはテイクアウトだけかもしれないし、なくなるかもしれないし。ディナーも今の形ではなくなるかもしれないし、毎日の営業ではないかもしれない。ということで、今のぺるしぃに心残りのある方は、ぜひ今月中に。

これまでありがとうございました！これからもシェフとさっちゃんを追いかけます。

【お店情報】
Bistroぺるしぃ　銀座3-11-8　第６丸嘉ビル1F　地図