つばきや 牡蠣フライ定食 （銀座）

昨シーズンから、ずっと気になっていた牡蠣フライ。昔は、穴子のせいろ飯等のランチだったと記憶していたが、今は、焼き魚と刺身、夏場には丼、冬場には、牡蠣フライが登場する。その古い記憶によれば、とても丁寧に仕事がされた料理で、それならば、きっと牡蠣フライも美味しいことが想像するに容易いが、何分1,500円と通常のランチとしては少々高い。けれども、これから温かくなっていきそうな天気予報。このまま、２シーズンも見送ってしまうのは、どう考えても心残り。

銀座６丁目の間口のそう広くないビルの２階。カウンター10席ほどの小体な、だが小奇麗な店。ご主人がお一人で切り盛りしているが、サラダを作る、刺身を盛る、フライの添え物を切り、添える等々、シンプルな作業の一つ一つにも神経を通わせるのがよく分かる。フライにしても、揚げる直前に衣をつけ、揚げる。

それにしても、牡蠣自体が立派で旨いこと。一口に牡蠣フライと云っても、衣と牡蠣を愉しむもの、フライという調理法の良さを再確認するもの等様々だが、これはきっと、この牡蠣を美味しく食べるための牡蠣フライ。衣は粗めだが、口にすると、衣の存在感はひっそりとして、牡蠣の身の美味しさが柔らかくじゅわりと膨らんでいく。嗚呼、これは美味しいなァ。

もう一つ感激するのは、ご飯。心持ち固めに炊かれたご飯は、香り良く、噛むほどにじんわりと甘い。これだけでも、ずっと食べていたい程だ。

別の方が頼んでいた焼き魚は立派で丁寧に焼かれ、刺身なら手が施され、大変に美味しそう。いやいや、思い切って来て良かった。満足感は値段以上。バタバタと帰ってしまったのが申し訳なく、次はもう少し時間のある時に。

【お店情報】
つばきや　銀座6-6-14 銀座パレスビル 2F　地図