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2014年2月 9日

薫屋 (阿佐ヶ谷)

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休日はここで昼酒が最近のお気に入り。

阿佐ヶ谷駅の北口を出て、旧中杉通りをズズズイッと北上。川名も通り越して、日大二高通りと交わる少し手前。「手打ちそば」の幟と、季節の蕎麦と酒の肴を知らせる黒板。そのそそる品と、化学調味料無添加という拘りに、一度と入ってしまったら、すっかりと嵌ってしまった。

 

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例えば、ピリッと山椒が効いた鶏肉焼き。ムッチリとした鶏肉も旨いが、付け合わせとして牛蒡の由々しい香りと食感の素晴らしいこと。

 

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秋には原木の舞茸天。

 

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正月頃には、慈姑の天麩羅。

 

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先月には、春野菜の天麩羅。蕗の薹にこごみ、蕗の薹、蕾菜に芽キャベツの盛り合わせ。衣と淡白の胡麻油の軽さによって、ご実家のある山梨から届く活き活きとした素材が、益々引き立つという格好。一つ口にしては、一々ふむぅと唸ってしまう。

 

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この時期といえばの蛍烏賊なら、山うどの酢味噌和え。まだ、蛍烏賊は走りで小さいが、腸まで含めた丸々の美味しさと、これまた薫り高い山うどに感激。

 

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見ればいつもお願いするのは、穴子のカマの南蛮漬け。穴子の天麩羅が品書きにあるからだろうが、こういう上手で呑み心誘う肴が揃っているのが素敵なのだ。酒は銘酒が10種類ほど。


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〆の蕎麦は、二八と生粉打ち(十割)の2種類。汁はキリッとしているが、まろやかで本枯の節の薫り佳し。

 

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季節の蕎麦も魅力的で、夏なら梅の冷やかけ、この時期なら牡蠣そば。

 

阿佐ヶ谷は、いい蕎麦屋が多いが、蕎麦前を愉しむならここだと思う。オープンして一年と少し。正直に云えば値段は高めだが、それでもと思うご常連(そして、日替わりの肴の黒板を真っ先に見る)が多いというのが、この店の特長を表しているというもの。一方で、家族連れも多く、小さい子供たちが「おいしー」と笑う姿を日に何度も拝見する。好い店です。

 

【お店情報】
薫屋 杉並区阿佐谷北3-37-13 地図

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