グルトン (阿佐ヶ谷)
今、一番好きなハンバーグ。
阿佐ヶ谷駅の南口を出て、住宅地へ入り、角を曲がって路地を入ったところにある洋食店。かなり地味な立地。だが、というよりも、だからこそ地元の人の生活に溶け込んだ店。自分が阿佐ヶ谷に越してきた頃には、既に古くからやっている店と聞いていたが、近頃、厨房に立っているのは息子さんだ。
先代が作っていた昔乍らの洋食と、今のシェフが作る気軽なフレンチ。ランチタイムは、メイン料理に、サラダ・店名物のボルシチ・前菜の盛り合わせから選択するシステム。自分がお願いするのは、いつも(飲みたいから)前菜にメイン料理のコース。
前菜は、ハムのムースにパテ、野菜のマリネ等が並ぶ感じ。日によってはキッシュや鴨のペーストなんてものがあったりして、それこそ、その日のお楽しみ。自家製のパンがこれまた旨い。コロンと小さなタイプで、ついつい食べてしまうが、なくなればまた提供してくれるから安心。
メイン料理は、日替わりの魚料理や肉料理、ロールキャベツ、シチュー等があるが、一番好きなのは、ハンバーグ。受け取ると、皿までしっかりと温められているのが心憎い。そして、ソースをたっぷりと纏ったハンバーグは、見た目どおりにふっくら。昨今流行りの肉汁が溢れるものでも、肉々しいのをウリにしたものでもなく、合挽や玉葱をしっかり合わせた正統派。ハンバーグとソース、そして食べていく間に混じっていく肉汁とソースの旨いことと云ったら。カニクリームコロッケが合い盛りというのも素敵だ。
デザートには、クレームブリュレだったり、幾つかの盛り合わせだったり、こちらも日替わり。
☆
どころで、先代はどうされたのかと気になっていたが、先日、夜に伺った際に、いらっしゃってホッとした。体調がお悪いらしいが、夜はグラスのセッティング等の手伝いをしていらっしゃるそうだ。
せっかくなので、夜のメニューもザッとご紹介(お任せ:5,780円)。アミューズは、ランチの前菜盛り合わせにも出る生ハムのムース。
前菜:軽く炙った赤海老とホタテのカルパッチョ。グレープフルーツを使ったドレッシングが夏らしく、そしてこの店らしい。
一転して旨みがグッとくるフォアグラのソテー。
名残のこごみ等の山菜フリットが添えられた黒ソイのソテー。
牛ほほ肉の煮込みのソテー。添えられているのは、古代米のバターライス。
伝統的な洋食店の佳さを残しつつ、少しずつ新しさが活きてきて、今とても素敵だと思う。先に名物と書いたボルシチは、実は、以前、この場所にあった「サフランドール」という店の名物料理だったものを、先代が受け継いだものだそうだ。その味は、また次の世代へ受け継がれていっている。
14席程のこぢんまりとした店だが、特徴は客の年齢層。若い方も多いが目立つのは、自分の親よりも先輩の方々。皆さん、シャンとして、もりもりと食べ、傍らにはワイン。自分が若者とは云わないが、負けてはいられない。
【お店情報】
グルトン 阿佐谷南1-46-8 地図
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コメント
このハンバーグはそそられます。前菜も。近いうちに行ってみます。
投稿: にゃおにゃん | 2014年6月23日 10:05
●にゃおにゃんさん
東京の西にいらっしゃることも?
狭い店でご常連さんが多くいらっしゃるので、
ご予約が安心かと思います。
投稿: のむのむ | 2014年6月23日 22:23
美味しいものがあるなら馳せ参じます。夫も食べるの好きなので。予約していきます。
投稿: にゃおにゃん | 2014年6月24日 10:41
●にゃおにゃんさん
それは、...ハードルが上がるなぁ(苦笑)
阿佐ヶ谷、中央線界隈も楽しい街ですので、
お越しになった際は、ぜひお楽しみ下さい。
投稿: のむのむ | 2014年6月25日 07:54