三六九 (高円寺)
高円寺の愛しの酒場がなくなることを聞いてから、これまで通っていなかった通りを、アチコチと歩くことが増えた。そんな中で出会った店が、ここ三六九。エトアール通りの西友の向い。古着店と小さいが古く好いが並ぶ界隈だが、その中でも今時なといった雰囲気で、店名に因み三角形、六角形、九角計がくり抜かれた入口が目印。
気になったのは、店頭に出ていた魚類の豊富さ。頭には「本日の天然鮮魚」。つられて入ってみれば、お通しとして出てきたのが、鮟肝と豆腐。訊ねたのは3月頭。温かいし、こりゃあいい。しかも、酒瓶がずらりと並ぶのを見れば、今日はここでと腰を落ち着ける。
あの魚の品書きを見てしまったら、とりあえずは色々と食べてみたいと、普段は余り頼まない刺盛り(880円)を注文。すると出てきたのが、鰤、金目、鮑、烏賊、縞鯵、生蛸の6点盛り。早々と、ビールから酒に切り替えるが、とにかく縞鯵のその鮮度と脂の乗りに驚いた。
煮付けか、焼き魚をお願いしようと思っていたが、この縞鯵で何かできないだろうかと聞いてみれば、「カマの塩焼きなんて、どうですか?」と来た。「この縞鯵、凄く美味しいですね」なんて話しかけると、「お客さん、お目が高い。今日のこれはね――」なんて華が咲く。テーブル席もあるが、長いカウンターのある店。これも酒場の醍醐味というもの。
調子の乗ってもう一品と、ホッキ貝を炙ったもの。炙った香りとぷりぷりとした食感。じんわりと広がる旨み。幾らでも飲めそうな気がして困る。日本酒も、季節ものが並んだりと、中々の揃え。
高円寺で飲むと、普段自分が好む店よりも若い客が多いなと思うことも多いが、こちらは若い方もいるが、スーツ姿の方や、隠居されているだろう方お一人でという方もいて、アウェイ感はそれ程ない。なお、その日の鮮魚の入荷は、店のFaxebookでチェックできるそうだ。
【お店情報】
天然鮮魚 三六九 高円寺南3-45-11 地図
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