さきと (博多)
連休を使って、1年ぶりに博多へやって来る。博多といえば、自分にとっては、まず「さきと」。
「さきと」とは、ご主人の故郷である長崎の「崎戸(さきと)」に由来する。何がいいって、壁一面にずらりと並ぶ肴に酒。お通しからして素敵だ。この日は、つくねのトマトソースに、黄あらを煮たもの。ビールで喉を潤しながら、これらを摘み、その日の算段をするのが、最初の醍醐味。
色々と悩むが、ここに来たらまず魚。それも、普段なら頼まない刺身の盛り合わせ。正直に云うと、生よりも、〆たり、煮たり焼いたりしたのが好みだが、ここならば別。
先ずは、ずらりと盛り込まれる種類の多さに、毎度目を奪われる。特長は、白身の魚が多いこと。この日は、クエにはた、黄あらにスズキ、タイの5種類。これだけ(しかも上等な)白身を食べ比べることができる処なんて、そうない。
先の皿だけでも、9種類とふんだんな盛り合わせだが、今日はこれに乗り切れなかったからと、別皿できびなご刺し。刺盛りは一人前から。一人客が多いことからの心遣いだ。
実は、品書きが少し変わっていた。鯨以外の品書きは、A4紙の3枚綴りに。先の刺身なら、単品での注文も可。ずらりと並ぶ魚を見ていれば、なんと「鯖の三品盛り」なんていう魅惑のキーワードを発見。鯖刺身に〆鯖に、ごま鯖の盛り合わせという、サバラバーには夢のような盛り合わせ。
しかしながら、やはり刺し盛りが捨てられず、結局は、いつもどおりに「ごま鯖」を単品で。ピカピカの鯖が甘口の九州醤油と胡麻の香りを纏って、更に引き立つ旨みに甘み。これこれ。これが好きなんだ。
そして、もう一つのお約束の「塩雲丹」。舌の上に載せて、とろとろと溶かしていくと広がる艶やかな磯の香りと旨みに、思わず目を瞑る。
さて、自分の定番ものを頂いたら、今日こそはのこれ!を。魚の焼いたのも気になるし、カウンターにある鱧天も気になるし――。と、お願いしたのは、定番メニューで頂いたことがなかった中華くらげ。天然わかめにしても、トマトや豆腐、なますにしても、一見普通のメニューが、実は拘りのある一品というのも、さきとの魅力。だからこその中華くらげは、期待どおりに肉厚でコリコリで、コクがあるも品のいい味付け。
もう一つは、烏賊下足。しみったれた注文で申し訳ないが、好きなんだからしょうがない。しかも、さきとのならば、味わいは繊細で足は勿論、胴体との際の軟骨部分の食感と噛むほどにジワジワと染みだす旨み。そこにしみじみと添わす酒。頼んで好かった。ウンウン。
最近は、知った方しか予約を取っていないそうだが、一巡した以降の時間ならば、余裕があれば入れるはず。この日も、初めてらしき女性が一人、ふらりとやってきて、ビールを飲みつつ、鯖3種盛りと塩雲丹を頼んだ後、「メニューを見てたら、ここはお酒だなと思って」なんて云いながら、酒を注文するという、思わずいいねボタンを押したくなるような光景に出くわした。ちょっと覗いてみれば、素晴らしい時間が待っています。
【お店情報】
さきと 中央区鶴舞2-8-25 1F 地図
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コメント
のむのむさん、はじめまして!
以前京橋で勤めていて、のむのむさんのランチ情報を頼りにお店に行くのが楽しみだった者です。
寿シーフードやはまのやさん、アロッサなどなど、、、。
昨年転職し、博多に異動になった為、しばらくはのむのむさんの紹介するお店には行けないなぁと残念に思っていたところ、まさかの博多紹介で嬉しくなり、初めてコメントさせて頂きました。
お酒も大好きで、居酒屋紀行よく見ていたのでぜひ行ってみたいと思います!
投稿: 星子 | 2014年8月 1日 08:15
●星子さま
はじめまして!コメント、ありがとうございます。
また、博多に異動されたというのに、
このブログを開いて頂いて、ありがとうございます。
博多、いいですねー。美味しいものがたくさん!
さきとさんは、ホント素晴らしいので、ぜひ、伺って戴きたいです。
予約が取れなくなってしまいましたが、どうぞ時間を見計らって。
遅めの時間なら、入れると思います。
博多のお店については、後、2、3店、書くつもりです。
乞う、ご期待?
投稿: のむのむ | 2014年8月 2日 08:46