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2014年10月26日

一月家 (三重・伊勢)

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実家のある伊勢は、昨年、伊勢神宮の遷宮を迎え、過去最高の観光客数を記録する等、観光客で賑わってはいるが、それは伊勢神宮界隈のこと。20年前の遷宮の頃から、人の流れがすっかり変わってしまって、子供の頃繁華街だった商店街は、随分と閑散としたアーケード街になってしまった。

けれども、変わらず人が集う店があって、その一つが一月家だ。近所に住む人はもちろん、近くの工場に勤める方、母などは、ここを「湯どうふ屋」と呼んでいて、友人とたびたび訪ねているらしい。

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湯どうふ屋と呼んでいるのは、ここの名物の一つが湯どうふだからだ。温められた豆腐にたっぷりと鰹節と葱が載る。熱々というよりも、とっぷりと湯に浸かって、ぬくぬくとして、とてもやさしい。

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実家に帰って来たら、必ず食べる「鮫たれ」を見つけて、これを貰う。自分の家では、「さめんたれ」と呼んでいたが、伊勢地方に伝わる鮫の干物で、普通に食卓に上っていたもの。だが、ここのは身も厚くふっくらとした極上品。これには思わず、お燗、お燗だ。

 

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実家の玉子焼き似た、ほんのりと甘い玉子焼きが、やたらと郷愁を誘うし、

 

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さつま揚げも、むっちりとして魚の旨味がしみじみと広がる逸品。あまりの美味しさに、お代わりをしてしまった。

 

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〆にもらったのが「盆汁」。これも郷土料理で、お盆の時期だけに作られる味噌汁だ。七つの具が入るから、「七色汁」とも呼ばれるもので、それぞれの家によって、具は異なる。実家では、茄子と枝豆が人気で必須。「働かざるもの食うべからず」で、食べたい人は、枝豆を向く手伝いをさせられたのが懐かしい。

一月家の盆汁は、
茄子、冬瓜、南蛮、油揚げ、里芋、干瓢、南瓜自分が訪ねた8月下旬には壁に貼られた料理の札にあったが、やはりいつもあるものではないらしい。〆にもふさわしく、もし見かけたら、ぜひ、頼んで貰いたい一品だ。

 

カウンターも、入れ込み用のテーブルも小上がりも、どこも一杯。小さいお子様連れもあれば、外国からの客人の姿もあるが、皆、にこやかで和やか。これも、ぬくぬくと湯どうふに似た空気感のせいかもしれない。そうそう、壁の品書きには金額が一切書いてないが、心配はご無用。

【お店情報】
一月家 三重県伊勢市曽祢2-4-4 地図

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コメント

うわ~懐かしいですね~!

実は、同級生のお家なんです!(歳がバレますね)
子供の頃、遊びに行った記憶が!

でも大人になってからは、飲みに行った事ないんですよ、、、

投稿: どんぐり | 2014年10月28日 01:25

●どんぐりさん
うそー、マジですか??!! すごーい!!カッコいい!(謎)

私もそうですが、一端家を出ると、中々実家の周りで飲みませんよねぇ…

投稿: のむのむ | 2014年10月28日 08:01

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