酒とあて 醸す (阿佐ヶ谷)
日本酒が飲みたいとき、最近伺っているのは、ここ。中央線界隈で、日本酒好きならきっとご存じの「吟雅」の跡に出来た店だ。
ほぼ居ぬきだが、入口の扉にガラスが入って、少しだけ中の様子が窺える。そこから見える棚には、日本酒がズラリ。外に掲げられた店幕で、恐らく日本酒が呑める店だろうと想像はつくが、酒瓶が並ぶ姿は何よりも饒舌な看板。
日本酒は、30種類程度。日本酒以外は、ビールとソフトドリンク。料理も、日本酒に合う軽いあてのみ。ご主人に聞いてみれば、「自分が好きな酒を揃えました」と云う。ご自身も日本酒が大変お好きだそうで、あれやこれやと話しながら飲むのも愉しい。
軽いあてと書いたが、いやいや、これが感じがいいのだ。秋の色が増してきたある日は、小さいけれども滋味溢れる山栗と、味噌が味わい深い豆腐。いつも2種類の盛り合わせで、確実に一杯は呑める。
とある日、ちょっとお腹に入れたくて、牛筋の煮込みをお願いしたら、こんなにもすっきりとした仕立て。けれども、柔らかくて旨味はたっぷり。日本酒を味わうなら、確かに、こういう味付け、好い。
醸すという店名から、あてにもそういうものがあるのではと思っていたら、自家製の糠漬けがおすすめという。内容は日替わりだが、定番ものからちょっと目新しいものまでの盛り合わせ。ある日は、ゴーヤ、アスパラ、生姜に茗荷、セロリに鶉玉子。見た目も綺麗だが、味わいも綺麗。ちなみに、最近、床に店の個性が出てきたそうで、これからが楽しみだ。
先日、急に寒くなって燗酒が呑みたくなって訪ねたならば、燗酒に合いそうな温かいメニューが増えている。これはいいなァと思ってお願いしたのは、烏賊と里芋のわたみそ煮。香りだけで一杯呑めそうな烏賊とワタの香りとコックリとした旨味。燗酒と共に、胃がポッポと温まる。
こう書き出してみると、温かい料理ばかり貰ってきたが、和え物やマリネなどもあり、これらの盛り合わせも可。さて、次は何を呑もうか。
【お店情報】
酒とあて 醸す 阿佐谷南2-20-2 地図
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