泰明庵 せりセイロ (銀座)
秋冬は牡蠣に芹そば、夏なら冷やしカレーが大好きなもんだから、春のイメージがあまりなくて、それで泰明庵にやってきた。
ちょうど昼時。いつものように相席上等で、できるだけ短冊が良く見える空席を確保する。そうだそうだ、山菜の天麩羅の蕎麦もあるし、桜海老のかき揚げもある。蕎麦じゃないけど、蛍烏賊天なんか、絶対旨いに違いないよな……と左端まで目を向けると、なんと、せりそばがまだ残っている(白菜も)。
そうなると、途端に気分は芹モード。けれども、この陽気ではせりカレーは暑いだろうと、せりセイロ(1,100円)をお願いする。
流石に根っこはもうないが、太い茎から芹の香りがぷぅんとやってくる。最盛期のせりカレーのように噎せ返るような香りはないが、蕎麦を啜るたびに、ほわほわと芹が香って、最後には、気道いっぱい芹の香りで満たされる。温かく濃いめつけ汁と芹との相性は、相変わらず素晴らしく、やっぱりこれにしてよかったと独り言ちる。
大満足での帰り道、最初の春の泰明庵問題は、なんにも解決していないことに気が付いた。いいんだ、またすぐに来るから。
【お店情報】
泰明庵 銀座6-3-14 地図
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