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2015年4月 5日

燗酒屋 (阿佐ヶ谷)

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仕事帰り。今日はちょっと気を緩めたいという時、覗く店。覗く店、というのは、立ち寄りたいのはヤマヤマだが、カウンター8席と小さな小上がりの小体な店故、入れないことも多いからだ。


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折り好く席を確保したなら、壁に張り出されている黒板に目を遣ろう。その日替わりの品書きがずらりと並ぶ。定番的な品もあるが、ほとんどが旬のもの。秋の或る日には、秋刀魚と牛蒡の味噌煮。てっきり煮置きだと思っていたのに、注文してから炊き上げてくれる。あっさり仕立てだが、だからこそ素材が活きて旨い。

 

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また、ここの〆鯖も好きだ。ある日のゴマサバの酢〆は、どストライク。身と脂の溶ける様が艶めかしく、後々までも残る香りと旨み。そこへ燗酒をつるり。他には何もいらない。

 

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ある日の小肌の酢〆も好かった。この麗しさ。

 

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冬といえば、やはり牡蠣。ある日には、小鍋立てにした牡蠣の玉子とじ。とじた玉子が鍋の蓋となり、中には、出汁に浸った牡蠣がたっぷり。汁にまでも牡蠣の旨みが染み出て、にんまり。

 

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牡蠣と云えば、ある日は山椒炊きでの登場。名残りの時期で、菜の花と共に。とろろ昆布も加わった旨みに、ピリリと山椒の風味。酒も進むというもんだ。

 

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もし黒板に見かけたら、絶対頼みたいのが、茶わん蒸し。たっぷりと大きい器で供される茶わん蒸しは、中にも具がたっぷりでその豪華さに目が行くが、何より出汁の味が好い。ふるっふるでつるりと滑らかで、飲んでいる最中の胃にも優しい。

 

女将さん一人で切り盛りしている故、料理の提供はゆっくりではあるが、こちらもゆっくりと飲っているから気にならない。ご常連の方々も、手が空いたらでいいからと声をかけたりと、上手に楽しんでいる方が多いようだ。レモンサワーに酒3本と料理で、3,600円程。数ある肴と燗を愉しみに、また空席を探してしまうのだ。

 

【お店情報】
燗酒屋 阿佐谷北2-3-3 地図

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