見晴料理店 （西荻窪）

西荻窪駅を出て、高架下を荻窪方面へ６、７分。洒落たカフェのような造りの店があって目を惹くが、実は、カウンターで幸せそうに飲み食べ、語らう方が印象的な店。

確かに、居酒屋というよりは料理店。西荻の人気店、たべごと屋のらぼうにいらした方が開いた店だそうで、季節感たっぷり感じさせてくれる料理が並ぶ。ある日なら、〆鯖に秋刀魚、鴨、秋鮭にその白子。あゝ、あれもこれもと思うが、独りの胃袋を思うと悩ましい。けれども、お一人だから調整しますねと声をかけてくれるから安心だ。

とりあえずビールをお願いして、届くのがお通し。これがまた気が利いていて、ある日は蓮根と鶏肉の品の好い煮物だったり、また或る日には、丁度遅い夏休み明けということもあって、ご主人の地元の北海道の蟹を贅沢使った料理が登場。もう次の一皿が待ち遠しくて仕方がない。

メニューには前菜が幾つかあって、盛り合わせでも単品でも可。公魚の南蛮漬けや菊、椎茸、青菜のお浸しなど。料理の彩りは勿論、器との様子も好い。

夏に伺ったときは、茄子のみぞれ煮

秋に入ってからは、付け合わせまでも美しく旨い〆さば。

それに、鮭の白子とじゃが芋のグラタン。香ばしく焼きあがった熱々のソースの中には、むっちりとして白子。食むととろりと溢れて、ソースと合わさってコク味が増す。そこにはもちろん日本酒を。ひやおろしなんかで一度流して、また旨味を口いっぱいに含んでの幸せなループ。ついつい呑み過ぎてしまうこと請け合いだ。

頂いた中で一番印象的で驚いのが、ドライ無花果と巨峰の白和え。フレッシュな巨峰を丸ごと使ったシューシーさも面白いが、無花果と和え衣の相性が素晴さや、密度の濃い旨みや香りが何とも云えず、燗酒でもワインでもブランデーでもいい感じ。一晩これで飲める、本気で。

酒の種類は、ビール、日本酒、ワイン、焼酎等々、ノンアルコールまで各種取り揃え。日本酒なら４種類程度。回転は早めで行くたびに面白い出会いがあるというのも楽しい。土鍋ご飯も人気だそうだし、寒くなってきて旨いものも盛り沢山だし、次訪ねるのが楽しみだ。

【お店情報】

見晴料理店　杉並区西荻南4-31-11 地図