舟勝 (御宿)
久しぶりに舟勝の話をしよう。
もう一年以上も舟勝について書いていないが、伺っていないわけではなく、むしろ1、2月に一度くらいの、以前以上のハイペース。おかげで、いつもお会いする地元漁師さんの話し言葉も随分と分かるようになってきた(ような気がしている)。
暖簾を潜ると、既に自分用のカウンター席には、枝豆豆腐にながらみ、西京焼きやら烏賊の煮付け等の盛り合わせ。何度見ても、「いや~、旨そう」と思うわけだが、直ぐに、冒頭の写真の刺身が登場して、結局これが中盤のいい酒肴になったりする。
この日は、戻りかつおの良いのが入ったからと、鰹のたたきを別盛りで。とろける脂に炙った皮めの芳ばしさ。頬張っては黙ってニンマリ。旨いものは人を黙らせるというのは本当だ。
名物の酢なめろう(なのに、かなり久しぶり)。青唐辛子が入りで、ところどころやってくる爽やかな辛味が好い。
色も香りも見事な自家製の塩辛に
丸々一尾の煮魚。甘ったるくなく、魚の旨味を引き出す煮汁に酒も進む。日本酒について云えば、常時10数種類。季節感があったり、あまり見かけないものがあったりと、どんな酒に出会えるか、いつも楽しみだ。
〆は、野菜もたっぷりの秋刀魚のつみれ汁に、握りたてのおにぎり。この美しく澄んだ汁の見事なこと。もうお腹いっぱいだというのに、ペロリと胃に吸い込まれていく。
あゝ、満足満足と思っていたら、お父さんが何やらゴソゴソ。「もうお腹いっぱいかぁ。これ旨いぞ~」と悪戯っぽく取り出したのが、栗羊羹。そうだ!その季節だ。餡子はなく全部栗の栗羊羹。これも自家製。素朴で滋味深い秋の味。これでお茶を戴いたら、そろそろ最終電車の発車時刻が近づく頃。
何時伺っても、何度伺ってもいつも満喫させてくれる店。地元の方はもちろん、東京からここを楽しみにやってくる方も大勢いらっしゃるので、訪ねる際にはご予約を。
【お店情報】
舟勝 千葉県夷隅郡御宿町六軒町157-31 地図
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