やまいち (松江・島根)
宍道湖七珍とご常連さんに囲まれて
松江は来てみたい街の一つだったが、実際に行ってみたら、とても好きな街になった。松江城と城下を巡る堀川、それに整理された町並み。そして、何より感心したのが、いかにも美味しそうな店が、そこかしこにあること。松江入りした日は日曜日で、生憎休みの店が多かったが、旨そうな香りをさせて、しかも大賑わいだったのが、ここ「やまいち」だ。その日は入れなかったが、開店が16時半と知り、翌日訪ねたところ、無事、席を確保することが出来た。
ところで、宍道湖七珍。宍道湖で獲れる代表的な7種の魚介類のことを指すそうだ。全国的にも有名は蜆を始め、鱸、モロゲエビ、鰻、アマサギ、鯉、シラウオのことで、旬があるそうだ。
食べてみたかったものの一つが、モロゲエビ。和名はヨシエビ。皮が薄いからそのままから素揚げで頂いたが、香ばしく海老らしい香りとしまった甘い身。しばし続く天然ものの繊細で上質な余韻にうっとりする。
それに鰻を白焼きで。こちらも天然でむっちり身の締まりと脂に頼らない旨み。鰻はあまり食べないが、これならまた必ずやと願いたくなる。
何度も口にしたことのあるバイ貝だが、この白バイ貝は人生一。ワタまでも綺麗で、嚙むほどに潮の香りと貝自身の出汁がふうわりと。全体を通して思うのは、上質さや繊細さ。旨みはたっぷりと感じるのに、嫌味にならず楚々として。まるで細面の美人のよう。
松山おでんに、蟹コロッケを戴いて、だいぶ店に居心地に馴染んできたと思っていると、左から右からと地元のご常連さんが話しかけてくれた。
左に座っていた方は、先代からのご常連さんだそうだ。盆にお子さん家族が帰って来るのを楽しみにしている様子で(伺ったのが丁度お盆前だった)、お盆の期間中にここに3日も予約を入れていると話してくれた。確かに、他の街では食べることのできない味だし、何よりそれならここでという店なのだろう。そのうち店のご主人も混じって、松江の話に華を咲かせる。こういう出会いでの街自慢は旅の醍醐味。
右の方は、ニラ玉で一献。そんな日常の料理も並ぶ。
最後には、やはりこれでと宍道湖のしじみ汁。このぷっくりと膨らんだ身。汁にもしっかりと旨みが溶け出て、ついついお酒をもう一本。そして、梯子をする羽目に。
松江には2泊したが、ここやまいちを始め、それでは回り切れないほどの気になる店が沢山。あゝ、本気で松山の仕事がほしい。
【お店情報】
やまいち 島根県松江市東本町4-1 地図
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コメント
松江の魅力に取り付かれましたね!
私も蕎麦や温泉求めてよくドライブしたものです。
しじみのお汁は松江に限る。松江城近くのスーパーは立派なシジミを置いていていつも買って冷凍してました。
美味しい旅万歳ですね。
投稿: にゃおにゃん | 2015年11月 2日 22:48
連投失礼します。書き忘れました。鳥取の松葉がに解禁は今週6日です。お歳暮時期になるとグンと高くなりますから、山陰の再訪はお早めに。
投稿: にゃおにゃん | 2015年11月 2日 22:56
●にゃおにゃんさん
ほんと佳いところですね。
季節を代えて、何度でも訪ねたいです。
宍道湖の蜆は名物だと聞いてましたけど、
ホントに立派で、出汁も素晴らしい。
あのようなものがすぐ手に入るって、なんて恵まれたことと思います。
そうそう、山陰といえば、これからは蟹ですね。
寒い間に是非と思っています。
投稿: のむのむ | 2015年11月 4日 22:23