泰明庵 せりカレーそば （銀座）

日陰には昨日の雪がまだ残っていて、底冷えするような寒さ。だから、食べたいと思うのは、オニオングラタンスープやドリア、餡かけの蕎麦等、ぽかぽかと温まるイメージのものばかりだ。

あれこれ考えて、これだ！と決めたのは、泰明庵のせりカレーそば(1,200円)。お願いすると、「ごめんなさいね、今日は根っこがないんですけど、よろしいですか？」と云う。シャクシャクとして香りの凝縮された根っこが大好きなのだが、ないものは仕方がない。根っこがなくても、せりカレーは旨いのだから。

まず、器の一面を覆うほどにたっぷりと盛られた芹の香りと、カレーらしいスパイス香りに、食欲が刺激される。ふぅーと深くその香りを吸いこんで、箸を入れて手繰り寄せ、ようやっと確認できるそばとともに啜り噛むと、シャクシャクと歯切れよい食感と、さらに強く感じる香り。ゆるい餡状のカレーで、最後までアツアツなのもこの時期格別だ。

壁に並ぶ短冊を見れば、牡蠣系のそばに、気になっている白子天やら、白菜そばやら。ミニ天丼の天ぷらの多様さも、また魅惑的。あゝ、想像ばかりが広がっていく。

【お店情報】

泰明庵　銀座6-3-11　地図