オーベルジュ アンドラ モンダーニュ (南魚沼・石打)
今シーズンも『食い飲み眠る、しあわせ』!
ここで年末を過ごすようになったのは、8年前(らしい)。当初は、スキーをするための宿としてやって来たが、今や、ここに来ることが唯一の目的。何といってもここの魅力は、料理の美味しさ、面白さと、旨いワインに、すぐソコにある心地のいい寝床。そして、シェフとマダムのお人柄。
そんなこんなの年末恒例のアンドラ・モンターニュ。今年も滞在中の夜の料理を幾つかご紹介。アミューズは、アンドラ系のお店ではお馴染みの「健牡蠣」を生で。
面白かったからついつい紹介するが、次の日のアミューズは「牡蠣焼き」。焼き牡蠣ではなく、牡蠣焼き。メニューを見て、何が出てくるんだろうと思っていたら、ベビーカステラみたいな、くるんと可愛らしい小麦粉を焼いたもの。そう、「たこ焼き」ならぬ「牡蠣焼き」。中には牡蠣が入っていて、嚙むと牡蠣の旨みがジュワッと溢れるわけだけれども、周りの生地の頗る美味しいこと。好いスープがたっぷり含まれている感じだ。
ある日の一皿めは、真鯛のサラダ。届いたところを見せて頂いたが、立派な大きさで、パンッと見事に張った天然もの。身もむっちりとして、嚙むほどに、朝サラダで使われる濃い生の法蓮草に負けない旨みが溢れ出る。
ここの名物といえば、大沢のコシヒカリを使ったおかゆやリゾット。旨いコシヒカリの産地として有名な魚沼の中でも、大沢地区のものは格別と云われる極上のコシヒカリ。この日はおかゆに、柚餅子や玉子の香りがする塩を添えて頂いたが、感じるのは、シンプルなのに、それらにも負けない米の旨味や香り。もっちりとして仄甘く、じんわりと体に染む。
魚料理は、平目のベニエ。鮮やかな緑のソースは、法蓮草。サックリと軽い衣に歯を立てると、ふっかりとした身とふくよかな香りが華開く。
スープは、宮崎地鶏のコンソメ。この濃くも美しく澄んだ黄金色。浮いているのは、ウドを思わせるセロリの根。
これまで、アンドラのフォアグラ料理といえば、名物のサンドイッチだったが、「敢えてそれではないものにしてみました」と云うご主人。メニューリストには、フォアグラのムースと書いてあったが、届いたのはこんな皿。球状にしたムースを包むのは黒トリュフ。なめらかな口当たりとリッチな味わいに続いて、鼻から抜ける香りの余韻。外に漏れるがもったいなくて、鼻と口を閉じておきたいくらいだ。
メインの肉料理は、蝦夷鹿のロティ。この質感と色味の婀娜やかなこと。ご主人自身も会心の出来という出来で、口にしても舌にしっとりと絡むようで、それでいて軽やか。嚙むほどに香りと旨みがじわりふわり。
最後は遊び心のあるパリブレスト。
ワインはもうすっかりおまかせ。毎年、地下のセラーから好みだと思うものをあれこれ考えて、手薬煉引いて待っていてくれるから堪らない。ちなみに、一皿ごとに合うワインを出してくれるマリアージュプランなどもあり。
朝食は、自家製のヨーグルトに果物、すこぶる元気な野菜サラダ、スープに、玉子料理と自家製のベーコンやハム。素材の力強さに負けそうなほどだが、夜にあれだけ飲んで食べたのに、お腹が空いて目覚めてしまうから、朝もペロリ。
「至福をたらふく」。もう、ここがない人生は考えられない。
【お店情報】
AUBERUGE-ANDRA-MONTAGNE 新潟県南魚沼市宮野下1191-1
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コメント
のむのむさんのブログで出てくる度に「いつか…」との思いをやっと果たせました。外は雨(!)ですが、美味しいものを食べて、ゆっくりお休みです。ホントに幸せなところですね。
投稿: たけぞう | 2016年2月14日 09:39
●たけぞう様
週末にいらっしゃったのでしょうか。
美味しいものをたらふく食べて呑んで、気持ちのいい寝床があって、
熊おやじさんやマダムとの話も楽しくて
ホント幸せですよね。
それにしても2月に雨とは!
夏の避暑も素敵ですよ。
投稿: のむのむ | 2016年2月15日 22:29