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2016年6月12日

水無月 (幡ヶ谷)

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中山さんが作る料理が恋しくて。

高円寺、ビリエットの2代目店長だった中山さんが独立して、幡ヶ谷にオープンしたのが、水無月。彼女が作る酒の肴が兎に角好きで、この季節なら、こういうものがあるだろうかと想像しては、ついつい京王線に乗ってしまう。

 

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お通しから、気が利いている。春に伺ったときには、筍と蕨の煮物。出汁が染みて、シンプルながら、グッとくる。

 

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ここの料理で好きなものの一つが、お浸しや和え物。ある日は、好物の白和えを見つけると、
苺とナッツ。ナッツの食感のアクセントと、水っぽくならず、苺自体は瑞々しい見事な出来栄え。人生における苺料理で一番うまいと云えるほど。

 

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それに、最近頂いた鯵と
アスパラの緑酢も素晴らしかった。初夏を感じさせる爽やかな見た目。胡瓜の青い香りと酸味、それに鯵のぷりぷりとした旨味。酒が進んで仕方がない。

 

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まだ寒い時期なら、白子の塩焼き。くっきりとした襞とぷりぷり感。とろりと
濃厚な旨みが舌に絡みついたところに燗酒を流し込んで、その幸福感に沈黙する。

 

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暖かくなってきたなら、米茄子の揚げ浸し。10数センチある丸々とした米茄子を半分。そのボリュームも然ることながら、
美味しい出汁が染みた茄子がトロリ。もうこっちまでとろけそうだ。

 

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中山さんの料理の中で、特に好きなものは、〆鯖だ。〆鯖が食べたくなると、先ず、ここを思うと思っても過言ではない。この生やかさを湛えた〆加減。
酸味と脂の残し方。皿の上の麗しさ。しかも、日によっては、炙ったものを入れてくれたりなんて手のかけ様。

 

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これらが、良心的な値段で出してくれるというのが、また好きなところで。「お酒を飲む人はお酒にお金がかかるから」と、肴の値段を抑えているそう。酒飲みには心憎い心づかい。堪らないではないか。

 

酒は定番ものに加えて、季節限定のもの。いつ訪ねても、新しい発見がある。さて、また近くに伺わねば。

 

【お店情報】

酒とつまみ 水無月 渋谷区幡ヶ谷2-8-5 近藤ビル2F 地図

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