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2016年6月23日

きだ すだち冷かけ (銀座)

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大変ありがたいことに、昨日、「岩戸の冷汁が始まっていますよ」と複数の方からご連絡を頂いた。それならばと岩戸に向かったものの、遠目に見ても、店の前に行列が出来ているのが見える。諦めきれずに、入口の会計場で混雑しているならば、すぐに入れるだろうと覗いてみると、どう見ても、席が空くのを待っている様子で、諦めることにした。

 

さて、この辺りなら、升本もあれば、三州屋もある。なんでもござれではあるが、冷たいものが喉をすべるイメージでいたもんだから、どちらも違う気がして、ちょっと頭をひねってみる。そうだ、すだち冷かけ(1,230)があるじゃないか。

 

それで、きだ。入口からちょうど正面にある季節ものが貼られている壁を見ると、すだち冷かけに、じゅんさいと、夏の品が並んでいる。ヨシヨシ。

 

これだ、これだ。目映るのは、酢橘の輪切りと、その果肉から透けて見える蕎麦。器の白と青い色も手伝って、涼やかで色っぽい。器に顔を近づけると、青さのある清々しい香りが鼻を擽る。細面ながらも食べ応えのある蕎麦と出汁と共に喉を滑ると、酢橘と柔らかい出汁の香りが折り重なって、残る香もまた麗しい。五感で感じる涼味は、単に冷たいものを口にするのとは違う心地良さがある。

 

店を出ても、自分の身の回りの空気がスッと変わっていることが分かる。ううん、やっぱり好いもんだ。――さて、冷汁は、何時にしようか。

 

【お店情報】

手打きだ 銀座3-5-16 島田ビル1F 地図

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