ぺるしぃ (銀座)
ムール貝の季節がやって来た!
10月初頭のぺるしぃ。夏と秋が行ったり来たりしている頃だったけれども、この日の皿の上は、すっかり秋。毎度おなじみの三種類のペーストは、今日は、焼き茄子にだだ茶豆、それにブロッコリー。どれも旨いが、鮮烈だったのは、ブロッコリーのペースト。茎の瑞々しさまで彷彿とさせる丸ごと感が堪らない。焼き立てのパンにたっぷり付けて頬張る幸せ。
この時期のぺるしぃといえば、モンサンミッシェルのムール貝だ。「今日からなんですよ」と話すシェフもどこかうれしそう。モンサンミッシェルのムール貝は、殻は小振りだが、身はふっくらぎっしり。凝縮された旨味があってクリーミー。トマトベースのソースは、ガーリックトーストにたっぷりと含ませて。それを見ていたシェフが、「この後まだ、お愉しみがあるよ」とニッコリ。きっとアレだ。ソースを使った何かに違いない。
その前には、盛り沢山の3皿目。地鶏のローストにケークサレ、甘いとうもろこしをふんだんに混ぜたミートローフ。茄子やかぼちゃ、薩摩芋。里芋に、立派ななめこ等。日本全国の美味しい産地から届いた秋の野菜は、それぞれの特長を生かした、別の調理方法、別の味付け。それに一々、ハッとしたり、ときめいたり。それでも、ほんわりと温かく落ち着く気持ちがするのが、シェフらしい。
先程シェフが云っていた「お愉しみ」がやってきた。そう、ムール貝の出汁のリゾット。これはもう、問答無用。惜しげなく入ったチーズも混じって、香りだけでもうご馳走。口にすると、身は一つも入っていないのに、格別の風味。香りでワイン一口。食べてもう一口。あゝ、止まらない。
興奮冷めやらぬところに、デザートの盛り合わせ。興奮を沈めてくれると思いきや、冷めたのは口内の熱だけ。2種類の葡萄を使ったデザートには、「皮の裏が美味しいんだよね」とシェフと大盛り上がり。コク味豊かなチーズケーキに、口をサッパリとさせてくれるシャーベット。
移転後は席数を減らしたため、予約は取りにくいが、ゆっくりとシェフと話しが出来るのも楽しいところ。さて、次は牡蠣とか食べたいなぁ。
【お店情報】
Bistroぺるしぃ 銀座1-15-13 VORT銀座residence807
| 固定リンク
コメント