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2016年11月13日

ふくだ (麻布十番)

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好きになって季節を一周。伺うたびに好きになる。


「きっと好きだと思うよ」と教えて貰ったのが、麻布十番にあるふくだ。丁度1年前になるだろうか。一日二組しか予約を取らないと聞いて、敷居の高そうな店だなぁと思ったが、いざ伺ってみると、店を営む若いご夫婦の温かさや柔らかさに、気持ちがほぐれ、ついつい長居したくなる雰囲気。それに、真摯な料理とくれば、素晴らしい時間が過ごせること、間違いなしだ。

 

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料理はおまかせのコースのみ。紹介するのは、10月のある日の料理たち。まずは、焼き帆立、焼き茸のお浸し。立派な
帆立の自然な甘さも素晴らしいが、茸のエキスの染み出た出汁の素晴らしいこと。旨みと柔らかく揺れる焼いた香り。「出汁も美味しいので、ぜひ」と仰っていたが、豊かな風味は想像以上。

 

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出汁に使う鰹節は引く直前に削り出すお椀も、愉しみの一つだ。この日はグジに松茸。目の前に置かれた椀の蓋を取ると、そこから立ち上がる湯気だけで、もう美味しい、芳しい。松茸の香りだけでなく、軽く炙ったグジの皮から香る仄甘さ。

 

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造りが2種類出るのがお約束。切るだけでなく、何らかの仕事がされているのが嬉しいところ。この日は、まず、伊勢海老の洗い。〆られぷりぷりとした食感の増した伊勢海老の甘みを生かすよう、出汁醤油で。混ぜた薬味が、これまた好い仕事をする。

 

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次の造りは、生のかますを藁で炙ったもの。伺うと、大抵、藁焼きが出されるが、毎度、愉しみにしているもの。藁を火に焼べるところから、もういい香りがして堪らない。そんな香りに気を奪われていると、こんなにも繊細な姿で表れる。炙った香りと、脂がたっぷりと乗った淡い甘さ。酢橘&山葵がよく合う。

 

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焼物は、太刀魚に九条葱を巻いたもの。葱は巻く前に胡麻油で炙り、太刀魚は幽庵焼に。見た目には、華やかさはないが、味わいは複雑で豊か。口が動くたびに、立体的に広がる甘みや香り、旨みがほどけ落ちる。

 

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蒸し物は、栗の茶巾を湯葉で包んで銀餡をかけたもの。餡に醤油を効かせて、栗の淡い甘味を引き立てたもの。ぽってりと胃を落ち着けてくれるのも嬉しい。

 

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揚げ物には、椎茸に雲丹を詰めて揚げてのみぞれ餡。噛むと、じゅわっと広がる椎茸と雲丹、炙った香り。とはいえ、主役は厚みも十分な椎茸。芳醇な秋の香り。えぇ、椎茸好きなもので。

 

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常日頃、〆ないと云っているが、ここは別。土鍋で炊くご飯がすこぶる旨い。いつも季節感豊で、この日は、鮭といくらのはらこ飯。これが凄かった。
人生で一番美味しいいくらは、とろりとコク味たっぷりなのに、余韻として残るのは透明感。キラキラとして、正に紅い宝石。

 

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春を待つ頃の
鮎の稚魚「氷魚」や、夏のじゃこと大葉など、大きな愉しみの一つなのだ。

 

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最後は、無花果の白ワインジュレがけ。残ったご飯はお土産にして持たせてくれるが、これがまたお愉しみ。結局、持ち帰ったその夜に食べてしまったりして。

 

10月で開店して丸2年。ファンも多く、今は予約が取れるのは、2か月先以上先らしい(ちなみに、年末辺りは先月でも既に満席)。兎にも角にも、若いお二人のこれからを、愉しみにしている。

 

【お店情報】

ふくだ 港区麻布十番3-7-5 マスコビル麻布弐番館 1F 地図

 

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