おでん東大 (那覇・安里)
今回の旅の目的の一つは、ここ、おでん東大だ。前に沖縄に来た時は、この店に嵌りに嵌って、2泊中2晩、ここに飲みに来てしまった。夜中だというのに、店の中は熱気と活気に溢れていて、居る客の皆がみな楽しそうに笑っている空気感。それに、名物の「焼きてびち」と「おでん」の大ファンになってしまったのだ。
それが5年前。そろそろあの雰囲気を味わいたくて、禁断症状が出てきたという次第。けれども、その5年の間に、頗る有名になってしまっていて、開店の9時30分から10分ほど経った時間に伺ったら、満席で且つ8組待ちだと、女将さんから知らされた。「恐らく2時くらいになるんじゃないかしら~」と懐かしい調子で教えてくれるが、翌日店は休み。来るなら今日しかないということで、空いたら連絡してくれるように電話番号を渡して店を離れた。
それで、一番餃子屋との運命の出会いを果たすわけだが、その後ホテルに戻って、いい感じに酒も飲んで、もう寝てしまいそうだ――うつらうつらしていた1時半。席が空いたことを知らせる電話が鳴った。
相変わらず外灯がなく、静かな店先。グッとドアを開けると、さすがに満席という状態ではなかったが、賑やかで楽し気な雰囲気は、記憶と何も変わらない。「焼きてびち」は、焼き上がるのに時間がかかるから、その間におでんと泡盛を貰って待つのみだ。
おでんの出汁はかなり黒いが、味はあっさり。前に聞いたところによれば、鰹出汁をベースに開店前に塩だけで味を調えているそうだ。大根に玉子、袋に入ったひじき、厚揚げ。それと、東京では珍しい葉野菜のおでん。どれもじんわりと出汁が染みていて、口にすれば出汁がじわり。具によって、出汁の染み出方や味わいが異なるのが、また素敵。そこへ泡盛をグッと流し込めば、すっきりとして、またおでんを呼ぶ。
そうこうしていると、お待ちかねの「焼きてびち」がやって来る。フライパンにてびちを敷き詰めて、30分ほどかけてじっくりと焼き上げたもの。ジリジリと焼かれた表面はバリバリで、その歯触りと焼けた香りの旨いこと。そして、その中身はてろてろのとろっとろ。口の周りが脂まみれにしてむしゃぶり付いたら、そこへ泡盛をクイっと。ハッハッハ、こりゃ最高だ。
座敷の隣に座っていた方々は、地元のお父さん方。半ば酔ってはいるようだが、明るくて大らか。地元の方も我々のような旅行客も、おんなじように、泡盛片手にゆうるりと寛げる雰囲気が大好きだ。
結局ホテルに戻ったのは、もうすぐ4時という時間。次は予約をすべきだろうか。けれども、行き当たりばったりのハプニングがあるからこそ、面白くもあるわけで。いずれにしても、沖縄に来たら、必ずやまたここへ。
【お店情報】
おでん東大 沖縄県那覇市安里388-8 地図
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