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2018年6月 3日

酒場ななめ (荻窪)

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湯気立つ店は、佳き店である。

荻窪の南口を出て、少しだけ阿佐ヶ谷方面に向かったところ。「蒸」の字が入った提灯と店から漏れる灯りがそそる外観が気になっていた店。暖簾を潜って「こんばんは」と声をかけてみれば、「いらっしゃい」とクシャしたと笑顔を向けてくれる。あゝ、ここは好きになりそう。それが最初。

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名刺代わりなのだろう。席に着くと「日本一熱いおしぼりです」とおしぼりが渡される。蒸し立て熱々。当然、厨房の一角を占める蒸籠に目が行くというものだ。と云いながら、最初に「お刺身の盛り合わせがオススメです」と案内されるのが面白いところ。お願いしてみると、これがホントに気の利いた盛り合わせ。何度か伺ったが、いつも真鯛や平目など白身が入っているのがとても好い。

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蒸籠と使った名物料理の一つが、蒸し野菜。これはハーフサイズだというのに、10種類程の野菜がみっちり。蒸すからこその滋味な美味しさに加えて、自家製ラー油などのタレ類も面白いんだ。

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レモンサワー好きとしては、最初に5種類並ぶレモンサワーからどれかを貰いたい。いつもの生レモンサワーに、塩レモン、ハチミツレモン、麦レモン。それに写真はシャーベットレモンサワー。シャーベットを少しずつ溶かしながら飲むと、ずっとヒエヒエ。これからの季節に似合いだ。

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店のもう一つの名物の肉豆腐は、牛すじと豚あばらをとろとろに煮込んだコックリ味。レモンサワーにも、日本酒にも好い感じだ。

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ちなみに、日本酒はその時次第で7、8種類ほど。特に興味をそそられたのは、件の蒸し器で蒸し燗をやってくれるということ。この日は大七だっただろうか。まろみがあってずっと呑んでいられそうだ。

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蒸し料理の中で、出汁巻玉子を見つけたら、それも食べずにはいられない。食むと、出汁巻きの美味しさに加えて、出汁がジュル。あゝ、ズルい、旨い。出来るものは半量にして出してくれるのも、一人飲みにはうれしいところだ。

 

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それに、貝の酒蒸しバター。絶対に旨いに決まってるやつ。貝は日替わりでこの日はホンビノス。汁までご馳走だ。

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名物を書いて来たが、日替わりのおばんざいが4、5種類あるというのも好きなところだ。ポテトサラダな茄子の煮物やら、野菜が摂れる料理が多い。好物の炒り豆腐を見つけてお願いしたら、蒸籠で温めなおしてくれて、旨さ倍増。

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「出汁がビュッって出ますから」と気を付けるように云われたピーマンなら、冷製で出汁をたっぷり吸ったもの。「今日のは特に大きくて」というピーマンにガブリと齧り付くと、本当にジュバッと出汁が口いっぱい。気軽で値段もやさしくて、仕事を終えての一息には、こういう店がとても好い。

 

【お店情報】

酒場ななめ 荻窪4-25-10 地図

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