酒一番/宝雲亭 (博多)
旅の最後は、やはり博多。
GWということもあって、街はいつも以上の賑わいで、いつも中州の〆として伺う酒一番には、口開け4時に飛び込んだ。それでも、席はほぼ予約で一杯で、辛うじて隅っこの小さなテーブル席を確保。明太子入り玉子焼きや、山芋鉄板をもらって、また今度ゆっくりと、と店を後にある。
やっぱりここは餃子だなと、久しぶりに訪ねる店に向かったところ、貼りだしてある今日の開店時間は過ぎているというのに、シャッターが閉まっている。旅にアクシデントは付き物だ。こうなったら、宿題にしていたレバステーキを目指して、宝雲亭だ。
一口餃子のルーツとも言われる宝雲亭。車が入れる通りではなく、雑居ビルが立ち並ぶ細い通りの中にある、赤い暖簾を介しても漂ってくる熱気が目指す先だ。
餃子を焼く目の前のカウンターの特等席を貰って、何はさておきビールをとお願いすると、お通しの酢モツと枝豆が届く。こういう気の利いたお通しがあるってことが、先ず素敵だ。
そして、以前訪ねたときにとても気に入ったニラ卵とじ。鉄のフライパンでざっくりと、素っ気ないくらいの作り方だけれども、それが好い。ふつふつと焼けたところと、生っぽい部分が両立して、香りや食感、表情豊かな好いツマミ。
そして今日の目当てのレバステーキ。前回、気になっていたのに、既に売り切れになっていたもの。こちらも鉄のフライパンでジャジャッと焼き付けたもの。薄切りのレバは、芳ばしい香りに、サクサクの歯ざわり。その後にコク味がじんわりやって来て、そこへビールをキュッと。ちょっとしたことだが、玉ねぎスライスがさっぱりとさせるに、気が利いている。
さて、メインイベントの餃子だ。宝雲亭には、看板の一口焼餃子と黒豚焼餃子の2種類があって、特に気に入っているのが一口餃子だ。その名のとおり小ぶりで、皮も薄め。厚い鉄板でたっぷりとした水で蒸し焼きされた餃子は、薄くてパリッと焼けた皮はもちろんのこと、餡とのバランスが素敵で軽快。タレにゆず胡椒を混ぜながら食べると、もう箸が止まらないのだ。
変わらぬ店の方の手捌き、目配りと、そこに体を預けるお客さん。料理の旨さはもちろんのこと、この店の雰囲気は活き活きとして、流石の繁盛店。ちょっと一杯と餃子一枚でもいい気軽さも、博多に来たらまたココにと思わせる。
【お店情報】
福岡市博多区中洲2-4-20 地図
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