とりや鈴なり （阿佐ヶ谷）

焼鳥と云えば、鳥久が大好きだが、同じ阿佐ヶ谷に若い方がやっている焼鳥屋を見つけた。焼鳥は好いし、日本酒の揃えもとても好み。このことを、阿佐ヶ谷に地の利のある知人に話したが、全く知らず、先日「あれは分からない」と云われたのが、ここ、とりや鈴なりだ。

北口のアーケードを通り過ぎて旧中杉通り。お馴染みのCapioを過ぎて50mほど北へ向かったところの右手。鰻串とやきとんのふみ屋の２階。夜にだけ看板が出る店だから、気が付かない人も多いかもしれない。

カウンターと小さなテーブルが１卓のみの小体な店。けれども、焼き場は存在感たっぷりに設えてあって、ご主人は、煙を上げて寡黙に焼いている。嗚呼、こういうの、グッとくるなぁ。焼鳥は、単品でもお願いできるが、５本、８本のコースもあって、初めてならば、店のおすすめや、野菜も入ってバランス好く、これが好い。特に、おすすめなのは、食むとジュワッと来るだんごや、

とろけるような白レバー。味わい綺麗でコク味もたっぷり。塩の塩梅もとても好み。

コースの最後にはスープが出されるが、綺麗だけれども、こっくり濃厚、旨味たっぷり。

もちろん、単品でも注文可。野菜も入れて20種類ほど。コースに入っていないものなら、ハラミやハツモトなんかも好い。

鶏肉のタタキなど、焼鳥以外のメニューもあり。ささみの昆布締めなら、この艶やかさ、色っぽさ。昆布の旨味がギュッと染み込んで、噛むたびに旨味がジワジワ溢れ出す。

鶏以外の肴が豊富なのも素敵だ。3品500円なんて素敵メニューがあって、しかも悩ましい10種類ほどからの選択。或る日に選んだのは、甘いのはもちろん、炭で炙るから香りが素晴らしいとうもろこしに、ぬか漬け、ささみ山椒。ぬか漬けなら、しっかりと漬かった蕪とその葉っぱが最高だし、ささみ山椒なんて、焼鳥屋らしく、呑み心もそそるやつ。

日本酒は、宗玄を始めとして、風の森、竹鶴、秋鹿等。燗にも向くラインアップでとても好み。一方で、レモンサワーもドライで旨いのが好きだ。ご夫婦だろうか、さっぱりとしつつも気持ちの良い雰囲気も好い。旨い隠れ家、正にそう。

【お店情報】
とりや鈴なり　阿佐谷北1-27-5 2F　地図