Swing Stomp Sway (高円寺)
軽やかで温かくて、穏やか。気持ちのいい小さなビストロ。
高円寺駅からも新高円寺駅からも、少し歩く住宅地の中に、温かい灯りが点る可愛らしい店を見つけた。カウンターのみの小さな店。店頭に出ている小さな黒板を見ると、イワシのコンフィのような前菜的なメニューもあるし、ワインボトルも見える。これなら、ちょっと飲むにも好いだろうなと気になっていたところ。
伺ってみると、フレンチをベースとした料理も好いし、若いご夫婦の醸し出す穏やかな雰囲気と居心地の好さに、すっかりファンになってしまった。
料理は定番のものに、件の黒板の季節ものが幾つか。前菜的なメニューで一番の人気は、前菜の3種盛り合わせ。ひよこ豆のサラダ、キャロットラペ、鮮魚のエスカベッシュ。いずれも酸味のある料理だが、その使い方や甘みとの組み合わせがどれも違ってとても好い。
件のイワシのコンフィなら、オレンジと合わせてあって、如何にも白ワインが欲しくなるもの。こちらも、シェリービネガーや柑橘の使い方にグッと来る。
もちろん、温かい前菜もあって、例えば、自家製のメルゲーズ。届いた途端に香るラムとスパイスの香りにノックアウトされるが、しっとりとした口当たりも頗る好み。肉感があって、一方で繊細で緻密、鮮やかなスパイ感。付け合わせのクスクスにはレモンを効かせてあって素敵だ。
しっかりと食べるならば、スペシャリテという牛ハラミのグリル。緑色はミントのソース。ミントの香りと軽い酸味が印象的。丁寧な仕事ぶりが窺えるなめらかなマッシュポテトも好きだ。おつまみ的に半量でも作ってくれるというのも有難い。
或る秋の日には、数量限定で出していた、ウズラのグリルにタイミング良く出会うことが出来た。これの何が素敵かって、鼻を擽るポルチーニの香り。香りだけでもワインが飲める。秋茄子と茸の煮込みの付け合わせも秋らしくて好い。
ラム好きなら、ラムチョップもおすすめだ。ラムらしい香りと焼き方の妙。こういうラムチョップは初めてだ。それに、カシスを使った甘酸っぱいソースもとても好い。付け合わせの野菜の焼いた香り、仄かな苦みがこれまた旨い。それにワイン。倖せだ。
温かい穏やかな雰囲気と、客との距離感がとても心地良い。寒くなってからの煮込み料理なんかも愉しみだ。旨い料理とワイン、それに好い空間。ファンにならずにはいられない。
【お店情報】
Swing Stomp Sway 高円寺南2-53-1 地図
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