たみえ (那覇・安里)

地元のご常連に囲まれ、ゆったりぬくぬく。
最近、週末の昼にちょくちょく伺っている沖縄そばの店がある(その話はまた別の機会に)。食券制のとても気軽な店。けれども食材は現地直送の店で、とある頗る寒い日に飲っていたら、ふと、沖縄に行きたくなってしまった。興味の先は、普段着の沖縄。地元の方は、普段何を食べているんだろうと気になって。その一つは、おでんだ。

おでんといえば、これまで何度か伺った「東大」が有名だろう。けれども、開店時間が遅いことに加え、あまりに有名になりすぎた。もっと、地元の方がふらっと立ち寄るようなところが欲しくて、今回伺ったのが「たみえ」。うちなー家庭料理の店という看板。件の東大と目と鼻の先だが、人通りの少ない通り。地元の方が続々と訪れる店だった。

暖簾を潜ると、ご常連がお店の方とゆったりと話しをしている。立派な座敷もあるが、基本カウンターというのが好い。とっぷりと呑むつもりだから、泡盛をボトルでお願い。そして、出して頂いたお通しにときめいた。ゴーヤの和え物に、ジーマーミ豆腐、キビナゴと大根の煮物。種類の豊富さも素敵だが、食卓的な感じが好い。特別ではないが、じんわり響く旨いやつ。

そして、目当てのおでんは盛り合わせは、これまたドーンとやって来た。知った沖縄のおでんより、汁の色は薄め。けれども、ソーキや三枚肉はもちろん、葉野菜やソーセージなどが入った沖縄らしいおでんにワクワクする。一口大にして放り込むと、柔らかくもじんわりと、色々な食材からの旨味が染みたおでんらしい、複雑な旨味の出汁が染みる。

もう一つとお願いしたのが、その日のおすすめ的なホワイトボードから、茄子とキビナゴの天ぷらを。サクッと軽い衣からの、ジュッと溢れる茄子の瑞々しさも印象的だけれども、お通しのキビナゴ同様、その太さ、立派さの素晴らしいこと。揚げても負けない繊細な存在感。堪らんなぁ。

呑んでいるうちに、カウンターには続々と地元の方が集い始めて、満席に。繁盛店なのは、このボトルの量で推し量れるというもの。けれども、空気はゆったりのんびり。日向にいるような、風呂に入っているような心地よさ。会計をすると、黒糖をお土産に頂いて、最後の最後まで温かい。次の沖縄は、ここを目指して。
【お店情報】
たみえ 那覇市安里388-13 地図
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