白夜 (中野)

誠実でスタイリッシュな店構えが気になった店は、料理も酒も、美しく心地が好い。

中野駅から南側へ10分ほど。暗がりにポッと明かりの灯る店が目に入る。白い暖簾に、白夜という黒い文字。拘りやセンスがとても好いなぁと思っていたところ。伺ってみると、店内も洒脱。飾り気はないが、立派なL字のカウンターが印象的だ。

初めて伺ったときのお通しからグッと来た。酢のものだったが、その酸味と出汁の加減がとても好み。料理はご主人、お燗番は奥様。細やかに動きながらも、ゆったりとした空気感がとても好い。

別の日なら、芽キャベツと白魚。季節感のある食材の個性を活かした繊細な料理。こんなお通しが出てきたら、続く料理が格段に愉しみになってくる。

品書きから、好物の白和えを見つけてお願いしたのは、柿の白和え。程良く熟してまったりとした甘い柿に、その柿に合わせたような頗る好みの濃いめの衣。けれども、滑らかで余分な具材はなくシンプル。繊細でド直球。その姿勢が好きだ。

刺身もその佇まいが美しい。種類は大抵4~5種類ほど。鮪は定番として、白身が充実しているところが好い。

「ぬた」も好きなもので、見るとついつい頼んでしまうけれども、これがまた素晴らしかった。腸で和えたかわはぎとあさつき。肝醤油で食べるかわはぎよりも、旨味の濃度が濃くて、美しく色っぽい。

カマスの若狭焼きをお願いしたら、その香りと、じんわりとした旨味がとても好い。シンプルに見えるけれども、素材の良さと調理の好さが感じられるのが、好きなところだ。
居酒屋というより、料理屋に近い感じだろうか。旨い料理と酒が好きな地元の方が、お一人で、またご夫婦で、愉しまれている雰囲気も好い。そろそろ春。次伺ったとき、どんな料理が並んでいるか、今からとても愉しみなのだ。
【お店情報】
白夜 中野区中央5-24-11 中央マンション 1F 地図
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