花笠食堂 （那覇・牧志）

路地裏食堂で昼飲みを。

今回の沖縄への旅のもう一つのテーマが「煮付」だった。煮付けといえば、魚の煮付けや貝の煮付け、かぼちゃの煮付けのように、「○○の煮付け」というのが一般的だが、どうやら、沖縄には、単に「煮付け」と呼ばれるものがあるらしい。気が付いたのは、ランチに時々伺う沖縄料理店。もうなくなってしまったが、メニューに「煮付定食」というものがあって、これはなんだろう？と気になったのがきっかけだ。

調べたところ、細かいところは、家庭や店によって異なるが、野菜や豚肉、こんにゃく、昆布などの煮物で、定食なら、煮付が脇役ではなく、メイン料理として出てくるらしい。食堂でも、出しているお店も多くある中、伺ったのは、牧志市場からもほど近い、花笠食堂。通り沿いのディスプレイが目立つ店だが、

店自体は路地の奥にひっそりとある。沖縄らしいのか、まだ開店直後だからなのか、まったりしたムードに気持ちが和む。

お願いしたのは、煮付け定食に、休みだから、もちろんビールだ。こちらの煮付は、三枚肉に大根、人参、じゃがいも、昆布、こんにゃく、厚揚げ。そしてなぜか、エビフライに千切りキャベツ。煮付けは、やわらかくて味しみしみ。豚肉らしいコク味があるのが、沖縄らしいところだろうか。それにしても、穏やかなおかずがメイン料理としてあるというのは、うらやましい。

そして、この定食でとても気に入ったのが、イナムルチ。こちらの定食では、汁物を、沖縄そばや中身汁など、５種類から選べて、それで、お願いしたのがイナムルチ。豚肉を使った具沢山の白味噌の汁で、お祝い料理だったそうだ。具沢山というのはもちろんのこと、椎茸の香りや旨味が、好みにどストライク。白味噌の仄甘さもとても好い。

店の方は、鷹揚で皆にこにこして、地元の方も、観光の方も、同じようにゆったりと。沖縄に来るたび、その母性的な力強さにポカポカとする。

【お店情報】
花笠食堂　那覇市牧志3-2-48　地図

【おまけ】
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