Spice飯店 (西荻窪)
まだ自粛ムードになかった頃、とても気に入って、何度か伺っていた店が幾つかある。定期的に伺おうと思った矢先に、そうも行かない日々の到来。どうしているだろうかと店のInstagramを覗いてみると、ようやく通常営業に戻りつつあるようで、また伺える日を楽しみに、過去の記憶を書き起こし。
西荻窪駅の南口から伸びる道をズイズイと歩く。この通りは、こぢんまりとした洒落た店が多い。その中でひときわ気になった店がSpice飯店だ。実際に伺ってみると、自分の予感が大正解だったことが分かる。スパイスをふんだんに使った料理が面白いし、それに合わせる燗酒も素敵だ。
料理については、品書きを見るだけでも面白い。「Spice飯店的干し豆腐和え」や「よだれ鴨」、「仔羊のぬた」等々。個性的でそそるものがズラリと20種類ほど。干し豆腐和えなら、箸を入れた途端にグワッと多重にスパイスが香って、食べる前からもう旨い。
よだれ鶏ではなく、よだれ鴨。こちらは、麻辣系のスパイスを使った食感も楽しい濃厚ダレ。旨味の強い鴨にも合うし、ソースをツマミにして呑める感じ。
鯖生ハムと焼蕪のカルパッチョも気になっていたもの。見た目も可愛らしいが、口にすると、鯖の薫香とカブの焼き目の香りがふわりと広がる。それに葉ニンニクやレモングラスのタレの風味に赤キャベツの苦みの妙。
仔羊のぬたなら、仔羊の個性に、赤味噌や紫キャベツ、スパイスと、個性的な組み合わせなのに、食べてみるとなるほどと唸る感じ。料理に合わせてつけてくれる燗酒が、これまた好くて堪らない。
まだ、牡蠣の季節中だったから、牡蠣の台湾オムレツも、もちろんお願い。牡蠣の旨味と酸菜の仄かな酸味がクセになる。一人だと量を少なくして出してくれるが、これは普通の量を一人占めしてウッシッシ。
カウンター5席とテーブルが1卓程の小さい店。日本酒の他、クラフトビール、ワイン、焼酎なども。まだ暫くは、お伺いするのが難しいかもしれないが、皿ワンタンなど、まだまだ食べたいものが沢山。あの個性的な料理たちと燗酒を、また愉しめる日を心待ちにしているのだ。
【お店情報】
Spice飯店 西荻窪2-19-5 サニーサイド弐番館 1F 地図
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