泰明庵 せりそば (銀座)
朝晩はすっかり涼しくなって、秋が近づいてきていることを思う。秋めいてくると、今か今かと気が急いてくる。好物の牡蠣と芹の季節だからだ。牡蠣はまだだが、そろそろ芹は始まっているんじゃないだろうかと、足を向けるのは泰明庵。9月下旬になると、せり入りのそばが始まり出す。
様子を見て、来週にしようとも考えたが、なければないで、カレーそばなんかを食べればいいかとやって来た。入口は開けっ放し。壁一面のメニューに目をやると、おぉ、あるあるせりそば。以前なら、「相席でどうぞ~」という客入りだが、今日は「お二階どうぞ~」。久しぶり。
カレーや肉入りのそばもあるが、今日はシンプルにせりそば(1,100円)。「今日は根っこがないんですけど、よろしいですか?」と確認されるが、なくても十分。器一杯に装われる芹を思うと、愉しむには十分だ。
届いたそばからは、あの豊かで広がる香り。隣のテーブルの方がこの香りが苦手だったら、ちょっと申し訳なくなるくらいに芳醇。丼に目をやると、一面に、しかもたっぷりと芹が乗る。シャクシャクと噛むほどに、口内や鼻腔一杯に広がる香り。そこへ蕎麦をズズッと啜り込めば、温かい出汁の香りも相混ざって、倖せ一杯。
次は、せりカレーかな。久しぶりにせいろもいいなぁ。愉しい季節がやって来た。
【お店情報】
泰明庵 銀座6-3-14 地図
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