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2021年6月10日

恵 きざみうどん (荻窪)

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数か月前に家族が入院したために、東京衛生病院へ何度か通ったが、その折に、気になるうどん屋があった。すっかり忘れてしまっていたが、ふと思い出して調べてみると、以前、阿佐ヶ谷にあった店の女将さんと息子さんで営っているという。

東京に越してきて、最初、阿佐ヶ谷と荻窪の間辺りに住んでいたが、その時、「東京にもうどん屋があるんだなぁ」と印象に残っていたその店だ。遠くからも客が来る評判のいい店と聞いたが、慣れ親しんだ伊勢うどん以外のうどんに興味がなかったからか、一度も伺うこともなく、いつの間にか閉店していた。そんな訳で、これも何かの縁かと伺った次第。

暖簾をくぐると、カウンター4席ほどと2人卓が一つという小さな店。先客は一人。カウンター席を一つ貰って、壁に貼られたメニューを見る。温かいもの、冷たいもの、定番ものから季節ものと、温かいうどんだけでも16種類と品数豊富。こんな暑い日は、冷たいものが欲しいところだが、温かいきざみが食べたくて、それをお願い。

「お待たせしました~」とカウンター越しに届いたのは、醤油っ気が感じられない、やや白く透明な出汁と、たっぷりと入る葱が印象的なうどん。まず出汁をと啜ると、やわらかくやさしいタッチなのに、ぐんぐんと広がる旨味。煮干を使っているそうだが、絶え間なく、でも押しつけがましくなく旨味が届いて、ずっと飲んでいたいくらい。

麺は太めの自家製の手打ち麺。やわらかいうどんで育ったため、かためのうどんに苦手意識があるが、コシや、もっちりとした弾力はあるものの、ゴワゴワした印象はなく、むしろうどん自体の美味しさが感じられて、とても好い。とろとろの葱や油揚げも、いい仕事ぶり。うん、葱はこれくらい入ってなければ。

出汁は熱々で、食べ終わる頃には、すっかり汗をかいてしまったが、爽快感と美味しいものに出会えた幸福感で一杯。「とても美味しかったです」と告げて、店を出る。絶対にまた来よう。お店のおすすめは、肉きざみと合わせ。これからの時期、冷たいのもや、季節のものも気になるなぁ…。

【お店情報】
手打ちうどん 恵 天沼3-6-21 地図

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