ふるやま (南阿佐ヶ谷)

以前、「好い蕎麦屋と聞いて約20年。初めて行ってみたら、こちらが心配になる程の素晴らしさ」と書いたが、以降どっぷりとハマっている。こんなご時勢で、休業されていることもあったが、営業されているならば、定期的に伺う一軒。
東京メトロの南阿佐ヶ谷駅から住宅街へ向かって5分ほど。暖簾は出ていないが、朱色の外壁が目印。店内の照明も控えめで、外界から遮断された雰囲気もある。お願いするのは、ハマったきっかけの「そばセット」だ。3皿の酒肴に〆のそばがつくセット。

お通しの揚げ蕎麦に続いて、先ず出てくるのが、酒肴の盛り合わせ。合鴨のローストと玉子焼きはほぼ定番で、それ以外は、その日替わり。しめ鯖が入ることもあれば、或る日は、砂肝の和え物。先日は、芋がらの煮物と、新牛蒡と牛肉の煮物。渋い料理だが好物。新牛蒡らしい香りに芋がらの食感と滋養感。しみじみ旨いとはこういうこと。玉子焼きは、ほんのり甘い好きな味。

続いてやって来たのが、おでん。日によっては、鶏わさだったり、つくねだったり、豚の生姜巻きだったりする、少し肉気があるのが2品目。その目線で云えば、牛すじ入りで、出汁も動物系の雰囲気。それを吸った白滝の旨いこと。

3皿目は天ぷらの盛り合わせ。海老と南瓜は、おそらく定番。それに緑の野菜ともう一品。季節によって食材が変わるのも愉しみの一つで、ヤーコンだったり、普段お目にかからない天ぷらがあったりするところも、面白いところ。

〆はせいろか、かけの選択。この繊細さも好きなんだ。ここまでの料理で、2,000円(税込)というのは、こちらが心配になるほどの満足感。伺うのは休日の昼だが、ほとんどの方が酒とそばセットでゆったりと愉しんでいるところも、好きな理由だと思う。こんな店が傍にある倖せよ。
【お店情報】
蕎 ふるやま 成田東4-26-12 地図
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