きのことおさけ (高円寺)
JRの高架下に出来た新店。きのこと酒にこだわりの店。
在宅勤務が増えて、仕事帰りに途中下車、或いは乗り過ごしをて、街を歩いて飲むという機会が少なくなってしまって、随分寂しく思いをしていた。少し落ち着き始めた頃、高円寺駅周辺を歩いたとき、あっ、新しい店だと目に入ったのが、きのことおさけ。きのこが描かれた洒落た暖簾、酒場として好き大きさと雰囲気。何より、好物のきのこと酒を看板にするというなら、気になって仕方がない。
メニューは、確かにきのこ攻め。炭火焼を始め、料理はどれもきのこを使っているし、酒にも、しめじや舞茸を使って蒸留されたクラフトジンを使ったものも。もちろん、お通しだって、きのこ料理だ。或る日は、椎茸の旨味とふんわりとした海老のすりみが美味しい椎茸の海老真薯。
また或る日は、マッシュルームのクリームチーズ。口に含むと、クリームチーズの爽やかな酸味の中から、マッシュルームのふくよかな香り。時々マッシュルームの粒が現れるところも、また楽しい。
メニューから、先ず気になったのが、きのこのお刺身盛合せ。刺身とはいえ生ではなく、昆布出汁で茹でたもので、この日は、キクラゲ、ヤナギマツタケ、フクロダケの3種類。生姜や葱、ポン酢が添えられていて、お好みでという案内。盛り合わせだからこその、コリコリ、ムキュムキュとした食感や香りの違いも然ることながら、そのままと、たっぷりと添えられた薬味を組み合わせたときの違いも、また面白く、あれやこれやと試したくなる。
もう一つ、どうしても気になったものが、本日のホイル蒸し。きのこを蒸したの旨いよね。日替わりのきのこのホイル蒸しかな?と思っていたら、これも想像以上に素晴らしかった。こんな風に、フィルムを縛った状態で運ばれてきて、開くと、きのこと出汁、牡蠣などの旨い香りに襲われる。
出汁が染みた具材を一つ一つ味わうも好いし、具材の旨味が染み出た出汁も旨くて、これをツマミに呑むのも好し。ちなみに、残った出汁は、ご飯を入れて雑炊にしてくれるそうだ。
やはり、シンプルに炭火焼から、好物の椎茸を。極しいたけという大振りで肉厚な椎茸をじっくりと焼いたもの。香りだけでももう旨いし、それに、見ても分かる瑞々しさ。食むとプリッとしてジュースがじわり。ソースを出して頂いたが、施された少しの塩で旨味十分。炭火焼は、舞茸や本しめじ、ジャンボマッシュルームなどもあり。
玉子料理があったら、やはりお願いしてしまう。炒めものもあったが、お願いしたのは、和風きのこオムレツ。メニューの名前はありがちだが、出てきたものは迫力満点。オムライスのライスの代わりに、きのこがたっぷり入った、言わばオムキノコ。なるほど、これは確かにきのこ専門店の料理。チーズの芳醇な香りに、玉子の火入れ具合もお見事。
つい先日頂いたのは、麻婆菌茸(マーボーキノコ)。独りだしハーフでお願いしたが、器にたっぷりと運ばれてきた。途端に鼻を擽る山椒の香り。一応で辛味は弱めで、複数入るきのこや豆腐、餡の美味しさを存分に楽しめる一品。
日本酒は、常時10種類ほど。初見だがとても美味しい日本酒があったりと、こういう出会いも好いもの。まだまだ興味のある沢山のきのこ料理があるし、何より、酒場としての、店の方や雰囲気がとても好い。気軽に、またふらっと席を求めて。
【お店情報】
きのことおさけ 高円寺南3-68-1 地図
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