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2022年9月25日

米平 (青森)

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日本中に、まだ知らない素敵な店があるだろうことを想像させるドキドキ感。だから旅って素晴らしい。

振り返ってみると、青森へ定期的に行き初めて10年以上経っていた。年に1度か2度程だが、夜飲みに行く時はもちろん、朝はベーカリーに寄ったりして、ホテルや飲食店が多い駅周辺から堤川あたりまでは、随分と分かるようになってきた。そんなわけで、そろそろ行ったことのない方へ行ってみたいなぁという気分が湧いて来る。

北側は陸奥湾でどん詰まり。それなら向かうは南側。歩いていくと、一遍に街の雰囲気が変わって、人が生活している匂いがしてくる。電柱に貼られた、端正な文字で認めた看板に従って大きな通りを左折。少し奥まったところにある、洒脱な暖簾がかかった一軒家が米平だ。お父さんのおでんやとんかつに、息子さんの日本料理と豊富な酒が魅力の店。

座敷では、既に地元の方が始められていて、楽し気な雰囲気が伝わって来る。予約した旨を告げると、案内されたのはカウンター。目の前にはおでん。日本酒がズラリと並ぶ冷蔵庫を目にすると、もうワクワクが止まらない。

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先ずはおでん。おまかせの盛り合わせでお願いしたところ、大根に玉子、角こんにゃく、豆腐、たけのこなどの盛り合わせ。驚いたのが、その出汁の美しさ。透明感も然ることながら、醤油らしい色味が極薄い綺麗な出汁。けれども、例えば大根なら、一口食べると、ジュワーと出汁が染み出して、美味しさが口いっぱい。大好物の玉子はもちろん、シャクシャクの筍、蒟蒻の美味いこと。こんな繊細なおでんに出会えるとは思わなかった。

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続いて、刺身の盛り合わせを。三種と書いてあったけれども、鮪に蛸、間八に鯵と四種類。鯵は注文が入ってからの捌きたて。刺身はどれもピカピカだし、薬味にまで気配り、仕事がしてあって、この美しさ。前日にいただいたからお願いしなかったが、嶽きみの天ぷらや、焼鳥、牛串焼きなども、気になって仕方ない。

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そして、やっぱりフライをいただかなくてはと、品書きを見るが、これがまた悩ましい。とんかつにヒレカツ。海老にホタテ、それにミックス。かつも食べたいし、海鮮も。それならミックス?と悩んで、お願いしたのは帆立フライ。好きなんだ、火入れが絶妙な帆立フライ。きっとここなら食べられるんじゃないかと思って。

お父さんの様子を見ていると、注文が入ってから、肉や帆立を切って、衣をつけて揚げていく。しかもその仕事ぶりは、とても繊細で丁寧。仕上がりの素晴らしさを見れば、もう言うことはなし。帆立の揚げ加減と衣の美味しさ。付け合わせの美しさ。これはときめく。

息子さんが店に入って、これから先も続いていくだろうという頼もしさと、日本中に、まだ知らない素晴らしい店があるだろうことを想像させる印象的な出会い。旅に行けない時間が続いていたが、その期間を払拭するようなドキドキ感。近くにあったら、通っているに違いない。また来年ここへ帰って来る日を夢に見て。

【お店情報】
米平 青森市中央4-9-6 地図

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